前年度までの研究において、研究開始時における研究目的を達成することができた。研究成果として、高圧配電線における相間に絶縁差を設けることにより雷による多相フラッシオーバ、ひいては配電線事故が低減できることを実験的検討および数値計算シミュレーションによる各種パラメータの検討により明らかにし、電気学会論文誌に投稿・掲載された。しかしながら、COVID-19の影響により研究成果の普及については取り組みが不十分であった。令和4年度はこの課題を達成すべく実験結果を含む研究成果を国内外の研究者・技術者が活用できるように整理を行った。 電力における国際的な活動機関であるCIGRE(国際大電力会議)におけるCIGRE 2022 Kyoto Symposiumにおいて整理した実験結果を報告した(Shozo Sekioka: "Measurement Results of Flashover Voltage on Medium-voltage Insulators to Develop Flashover Model")。さらに本研究の主たる成果応用先である日本の高圧配電線に普及させるべく電気学会「高圧配電線耐雷設計の技術変遷と合理化に向けた課題に対する調査専門委員会」や電力中央研究所雷リスク委員会においても研究成果の報告を行った。
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