• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

MRI撮像における胎児内SARと温度上昇の高精度評価

研究課題

研究課題/領域番号 17K06335
研究機関国立研究開発法人情報通信研究機構

研究代表者

長岡 智明  国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波標準研究センター, 主任研究員 (00381674)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードMRI / 比吸収率 / 温度上昇 / FDTD法 / 胎児 / 数値人体モデル
研究実績の概要

本研究では、これまで明らかにされてこなかったMRI撮像時の妊娠時(初期~後期)、すなわち胎児に発育、成長考慮した胎児内の電磁波エネルギー吸収量および温度上昇を世界唯一の妊娠初期から後期までの人体を模擬した人体解剖モデルを用いて高精度に推定することを目標としている。
これまでに1.5Tおよび3T MRI撮像時の母体および胎児内の電磁波エネルギー吸収量と温度上昇の高精度な推定法の開発として、MRI撮像時の胎児内の電磁波エネルギー吸収量を電磁波シミュレーション手法(Finite-Difference Time-Domain 法; FDTD 法)と、電磁波エネルギーの吸収に起因する胎児内の温度上昇解析に関するシミュレーションの大規模化および高速化を実施し、妊娠週とばく露量の関係を明らかにするため、胎児を含む妊娠女性モデルの更なる高分解能化、高精度化およびコンピュータグラフィックスの変形技術(ケージ変形技術とブレンドシェイプ技術)を応用し、超高精細胎児モデルとそれらのモデルを組込んだ妊娠女性モデルを妊娠初期から妊娠後期までシームレスに変形可能な妊娠女性モデルへ改良する方法について検討、評価した。また、母体および胎児内の電磁波エネルギー吸収量と温度上昇の不確かさ評価を検討するため、妊娠女性モデルの体型変形方法についても取り組み、様々な妊娠週齢および体型の高精度数値人体モデルを開発可能であることを確認した。さらにこの手法を用いて、妊娠初期から後期までシームレスに変形可能な妊娠女性モデル開発に取り組んだ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルスのまん延が長期に及んだだめ、胎児の成長モデルおよびそれらのモデルを組込んだ妊娠女性モデルの開発が当初の実施計画に対して大幅に遅延しており、この遅延によって、数値シミュレーションによるばく露量推定等も後ろ倒しになった。さらに、発表を予定していた学会等についても諸事象により参加できなかったなど、本研究成果の達成度としては、遅れている。

今後の研究の推進方策

コンピュータグラフィックスの変形技術の応用により開発した妊娠初期から後期までにシームレスに変形可能な妊娠女性モデルを令和4年度の第2四半期までに完成させ、MRI撮像時の妊娠女性および胎児内の電磁波エネルギー吸収量と温度上昇を推定し、従来の妊娠女性モデルを用いたばく露評価結果と比較することで、妊娠女性の体型や胎児の体型に対するばく露量の依存性等を評価する。また、胎児組織の水分量等や成人の各組織の電気定数、熱定数値を参考に、胎児の値を変化させ、電磁波エネルギーや温度上昇の電気定数、熱定数依存性等について検討する。また、これらの成果を国際会議で発表し、論文としてまとめる。

次年度使用額が生じた理由

モデル開発に時間を要したことから、数値シミュレーションの実施が遅れたため、数値シミュレーション用の物品費、学会参加のために旅費や参加費、さらに論文掲載費等の支出がなかったことから、令和4年度使用額が生じた。令和4年度は令和3年度予定していた支出と同様に、数値シミュレーション用の計算ボード、研究成果発表のための旅費や参加費、論文掲載費に使用する計画である。

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi