研究課題
基盤研究(C)
カーボンナノチューブ(CNT)は、他に類を見ない極めて特異なナノ構造や物性を有しており、基礎科学と応用の両面から期待されている。未だCNT本来の優れた物性を生かした銅レベルの導電性は得られおらず、本研究は導電ケーブルの基礎技術の構築が目的である。すなわち、理論的に高導電性が期待される二層CNTを用いて、高結晶化、CNT単体の長尺化等について基礎検討を実施した。よって反応空間長、カーボン源、生成温度、キャリアーガス量とCNTの長さに相関があることを見出した。
工学
CNTの導電ケーブルへの応用は、電線材の確保(銅は2040年頃に枯渇すると予測されている)や大幅な軽量化によるCO2削減を実現できる点で大きな意義がある。CNTは未だ精緻な構造制御が達成されておらず、本研究によって生成条件と長尺化との関係を示したことは、学術的にも大変有意義である。