研究課題
基盤研究(C)
本課題では、化合物薄膜太陽電池の光吸収層の光吸収から欠陥評価を行う評価技術の確立を行った。また、それを用いたCu2ZnSn(S,Se)4(CZTSSe)太陽電池の評価を行い、CZTSSeのバンドギャップより小さいフォトンエネルギー領域に、CuとZnの置換欠陥に関係すると考えられる指数関数裾を観測した。さらに、光照射により誘起される欠陥に関するギャップ内準位と考えられる、1.3eV付近の吸収を観測し、これが白色バイアス光照射による高エネルギー領域の量子効率減少を起こしている可能性が考えられた。
電気電子材料工学
薄膜太陽電池光吸収層の欠陥を太陽電池構造のまま評価である本評価技術は、高効率化合物薄膜太陽電池だけでなく、ペロブスカイト太陽電池など他の高効率薄膜太陽電池の迅速な開発に貢献できる。また、本研究ではCZTSSeのバンドギャップ内の欠陥準位に関する新たな知見が得られており、CZTSSe太陽電池の高効率化だけでなく、CZTSSeの物性理解につながる。以上の点に、学術的意義と社会的意義があると考えられる。