本研究では、InN/GaN短周期超格子(SPS)からなる擬似InGaN混晶により、窒化物系半導体レーザー(LD)の新しい導波光制御構造を提案し、その素子応用にむけた基盤的技術の開拓を目的とした。そこで、InN/GaN-SPSおよびその基礎構造である1分子層(ML)-InNの物性制御方法の解明に取り組んだ。SPSは同等のバンドギャップをもつInGaN混晶に対しバンドエネルギー揺らぎに由来する発光素子の損失を低減できる可能性をもつこと、SPSおよび単一1ML-InN量子井戸のバンド構造や発光機構についての知見を得た。SPSによりLDの発光層や光導波路の高機能化が十分可能であることが示された。
|