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2018 年度 実施状況報告書

生産性と光学特性に秀でたチューナブル波長選択フィルタの開発と赤外波長域への展開

研究課題

研究課題/領域番号 17K06370
研究機関宇都宮大学

研究代表者

依田 秀彦  宇都宮大学, 工学部, 准教授 (30312862)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード波長可変フィルタ / チューナブル波長フィルタ / WDM-PON / カラーレスONU / 透明ヒータ膜 / エリプソメトリー
研究実績の概要

(1)温度制御型チューナブル波長選択フィルタ(TO-BPF)の性能向上とモジュール化
■TO-BPFチップを光ファイバフェルールにコンパクトな実装化および低消費電力化に取り組んだ.昨年度の反省を踏まえ,今年度はフェルール端に断熱溝を設けたファイバ実装TO-BPFを提案し,そのための作製プロセスを検討した.フェルールとBPFチップとの接触面積比30%の場合,消費電力効率35mW/nm の測定結果を得,断熱溝の有効性を実証した.次年度には更なる断熱効率の改善および応答評価を試みる予定である.
(2)赤外波長域(0.8~14μm)にわたる光学定数の高精度評価
■波長1.7~14μmにおける光学定数を評価するため,赤外分光エリプソメータを用いて各種材料の測定&解析を行っている:誘電体や半導体(Al2O3 CeYO DLC Ge Glass ITO Si SiGe Silica SiOx SiNx SiO2 TiO2 YF3 ZnS ZnSe ZrO2);金属(Ag Al Au Cr Mo Pt SUS Ti TiN W);有機材料(BM EVA PC PE PMMA PP PS PVA PVB);カルコゲナイドガラス
■波長1.1~1.65μmの光学定数を測定評価するのに(前年度に適用を試みた)分光光度計の代わりに,広帯域光源と光スペアナ(+光ファイバ,アクロマティックレンズ,波長板,回転検光子)を用い,角度拡がりの小さなコリメータビームによるエリプソメトリーの開発を進めている.■エリプソとは別に,近赤外分光光度計の反射率と透過率の測定結果を用い,逐次分析法により基板材料や薄膜材料の光学定数(n,k)の解析の改善も進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)温度制御型チューナブル波長選択フィルタ(TO-BPF)の性能向上とモジュール化
■マルチキャビティ型TO-BPFの作製を実施したかったが,そこまで行えていない.■TO-BPFチップの消費電力低減のため,断熱構造の導入してその効果を確認できたが,応答速度の評価まで行えなかった.
(2)赤外波長域(0.8~14μm)にわたる光学定数の高精度評価
■分光光度計をエリプソ測定に適用するのは困難なため,新たな方法を考案して開発を開始したばかりである.次年度に推し進めたい.■いくつかの試料について(n,k)データベースを公開したかったが実施できず,次年度に持ち越す.

今後の研究の推進方策

(1)温度制御型チューナブル波長選択フィルタ(TO-BPF)の性能向上とモジュール化
■波長1.6μmのレーザ光源を入手してTO-BPFの作製と評価■厚い基板を採用してマルチキャビティ型BPFの開発■チップを実装化する際の断熱構造の改良■応答速度の評価■水素リッチa-Si:H成膜
(2)赤外波長域(0.8~14μm)にわたる光学定数の高精度評価
■広帯域光源と光スペアナを用いて角度拡がりの小さなコリメータビームによるエリプソメトリーの開発■近赤外分光光度計の反射率と透過率から逐次分析法による解析向上■(n,k)データベースを公開

次年度使用額が生じた理由

TO-BPFの設計波長を(これまでの1.55μmでなく)NG-PON2の規格である1.6μm付近に合わせる必要が生じた.しかしレーザ光源を所有していないため,作製できない状況であった.そこで,次年度に波長1590-1600nmをカバーする波長可変光源(中古,100万程度)を購入する予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 光通信用TO-BPFチップの光ファイバ実装方法と省電力化に関する検討2019

    • 著者名/発表者名
      須藤航陽, 戸賀沢舟, 依田秀彦
    • 学会等名
      第9回電気学会東京支部栃木・群馬支所合同研究発表会
  • [学会発表] Si細線導波路用ダウンテーパ型スポットサイズ変換器作製のためのリッジ導波路部の形成2019

    • 著者名/発表者名
      鳴瀬皓之, 赤沼啓伍, 依田秀彦
    • 学会等名
      第9回電気学会東京支部栃木・群馬支所合同研究発表会
  • [学会発表] 反応性スパッタ法による膜質制御と光学素子への応用2018

    • 著者名/発表者名
      漆原陸, 大谷毅, 依田秀彦
    • 学会等名
      大学コンソーシアムとちぎ第15回学生&企業研究発表会
  • [学会発表] 多層膜と微細周期パターンによる干渉機能を用いた大面積発色素子の試作2018

    • 著者名/発表者名
      鳴瀬皓之, 大谷毅, 依田秀彦
    • 学会等名
      大学コンソーシアムとちぎ第15回学生&企業研究発表会

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公開日: 2019-12-27  

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