研究課題
本年度では、多機能・多周波数共用・広帯域マイクロ波回路素子(フィルタ、電力分配器)を中心内容に、研究を遂行した。(1)新しいスタブ付きステップインピーダンス共振器及びH字型コンポジット共振器を提案し、複数の種類のデュアルバンド帯域通過フィルタ(BPF)及びトリプルバンドBPFを設計、試作し、理論予測と良く一致した測定結果を得た。各通過域の中心周波数や帯域幅の自由な設計を可能にし、複数の伝送零点も生成できたため、フィルタの各通過域の周波数選択性と阻止域特性が大幅に改善された。伝送線路短絡スタブを用いた広帯域BPFに対し、信号干渉を設けた新しいフィルタ構造、および短絡スタブと結合スタブを併用した新しいフィルタ構造を提案し、設計と試作及び測定を行い、所望のフィルタの特性改善を実現できた。(2)電力分配と周波数選択特性を同時に実現できるデュアルバンドフィルタリングウィルキンソン電力分配器(FWPD)について、新しい小型回路を提案し、所望の電力分配特性、高い周波数選択性、出力線路間の大きなアイソレイション、および極めて広い阻止域を実現した。また、広い通過域と急峻な周波数選択性を併せ持つ新しい有極型広帯域マイクロストリップFWPDを提案、設計、測定し、所望の良好な周波数特性を得た。(3)マイクロストリップスタブ付きデュアルモード共振器を用いて、通過域幅の調整が可能な平衡‐非平衡型フィルタリングパワーディバイダを提案、設計、試作した。設計値と良く一致した測定特性を示し、所望の周波数選択性、出力線路間のアイソレイション、及びコモンモードサプレッションを実現できた。(4)二つの伝送経路から成る新しい信号干渉帯域阻止フィルタ(SIBSF)を提案し、一般化チェビシェフ特性を持つSIBSFの設計手法を確立した。優れた特性を持つSIBSFの設計、試作及び測定結果より、提案構造と設計手法を実証した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
IEEE Trans. on Microwave Theory and Tech.
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IEICE Electronics Express
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http://sirius.reso.ees.saitama-u.ac.jp/