従来の電波吸収体は、素材の抵抗損失による電磁波の吸収作用を利用して反射を抑圧するが、ミリ波帯では素材の表面での反射が比較的大きくなり、反射量が大きくなってしまう。一方で開発したメタ表面は、異常吸収特性を利用したものであり、極めて薄いにも関わらず、原理的に、ある角度での反射を完全に抑圧することが可能である。 本研究で実現した超薄型完全電波吸収体は、任意の形状の散乱特性を自在にデザインするための基礎技術となるものであり、学術的に有意義である。また、これにより実現される分布型メタ表面は、将来のミリ波応用システムの実現と高性能化に寄与するものであり、実用面での貢献度も高い。
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