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2017 年度 実施状況報告書

双方向通信路と見なした全二重無線の符号化法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K06419
研究機関名古屋大学

研究代表者

松本 隆太郎  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10334517)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード全二重無線 / 双方向通信路
研究実績の概要

従来の無線通信はアンテナから信号の送信または受信のどちらか片方しか出来なかった。その理由は送信している信号が受信信号よりはるかに大きい電力を受信アンテナにおいて持ち、受信信号をかき消してしまうからであった。全二重無線とは、自局からの送信信号の受信アンテナにおける干渉を巧みにキャンセルすることにより、他局からの信号を受信しながら自局からの信号を送信する技術である。この全二重無線について、通信路容量は未知であり、全二重無線の性能を最大限に引き出す符号化ならびに変調方法は本格的に研究されていなかった。本課題ではそれら2つの課題の解決を目指している。
平成29年度は、通信路容量の解明に向けて、シャノンが1960年ごろに提案した双方向通信路に注目した。双方向通信路は、一対の端末のそれぞれが送信しながら受信出来るときの通信のモデルであり、端末1が送信する情報レート1と端末2が送信する情報レート2の2つの情報レートがある。有線通信で雑音が加法的白色ガウスであるときに、復号誤り確率を任意に小さく出来るための情報レート1と情報レート2の必要十分条件は、両方のレートが加法的白色ガウス雑音の通信路容量未満であることが、韓によって示されている。平成29年度は、送受信局におけるアンテナが1本でフェージングが準静的かつ周波数フラットでありかつ通信路状態情報が誤差無く得られる場合に、復号誤り確率を任意に小さく出来るための必要十分条件は両方のレートが通信路状態情報を持つ静的かつ周波数フラットフェージング通信路の通信路容量未満であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画を概ね達成したから。

今後の研究の推進方策

平成29年度の結果を通信路状態情報の推定に誤差がある場合に拡張するとともに、端末が複数のアンテナを持つMIMO通信の場合に拡張する。また通信路容量に近い情報レートを低い復号誤り確率で実現する、具体的な符号化・変調方式の検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

雑誌論文掲載を予定していたがまた論文投稿に至らず掲載料が発生しなかったため。平成30年度は、研究成果の発表を対外的な発表を行っていく。

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公開日: 2018-12-17  

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