研究実績の概要 |
今回の研究期間内には,メタ表面を用いた超広帯域な円偏波アンテナの設計方法について確立させる.目標としては,軸比が3dB以下の円偏波をUWBフルバンドである3.1GHz~10.5GHzをカバーしつつ送受信できるアンテナを目指す.構造としては,メタ表面を人工グラウンド構造もしくは反射板(リフレクトアレー)として用いるか,あるいは透過型のポラライザとして使用するかによる.現在,申請者のグループから研究会(Alia and Fukusako 電子情報通信学会アンテナ・伝播研究会,2016年8月)で発表したごとく,65%もの比帯域で,x成分とy成分に180°の位相差を与えるメタ表面構造を発表した.これまで,40%程度の帯域で円偏波をカバーできるアンテナは申請者のグループからすでに発表しており(Yamauchi, Fukusako IEICE Trans Oct 2016他多数),円偏波帯域外の直線偏波部分を円偏波化する技術を用いたこれらの組み合わせで比帯域100%を超える円偏波アンテナの可能性が出てきた.円偏波アンテナの軸比特性において軸比が大きい部分を円偏波に変換する発想であるので,これらの比帯域の合計で超広帯域をカバーできる可能性を明らかにする. 本研究においては,UWBフルバンドをカバーできる円偏波アンテナの開発を目指す.しかし、その帯域は中心周波数に対して100%を超えるものであるが、挑戦的な課題であるものの、レーダやセンシング等の多くの応用があるため、今後必要とされると考えている。
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