本年度は今までの研究結果を踏まえて、Massive MIMOを利用した大規模IoT接続の研究を行った。
次世代セルラーIoTネットワークは膨大な数のIoTデバイスの低電力かつ広範囲の無線接続をサポートする必要がある。しかし、このような大規模な接続によって引き起こされる深刻な同一チャネル干渉は接続の信頼性とカバレッジを低下させる。この問題を解決するには、Massive MIMOの一種と見なせる大型インテリジェント反射面(IRS)のサポートを活用した、チャネル推定と情報伝送を含む大規模接続のフレームワークを提案した。提案したフレームワークの性能分析を行い、IRSの役割を明らかにした。大規模なIRSはエッジデバイスのパフォーマンスを向上させ、それによりカバレッジを拡大した。さらに、反射係数はチャネルの状態とシステムパラメータに応じて慎重に選択する必要があることも解明した。
さらに、低軌道衛星(LEO)を利用したマルチビームIoT接続方式を考察した。時分割多元接続ではなく、角度域での新しい非直交多元接続方式は、非常に広範囲での大規模なIoT接続をサポートできる。マルチビーム衛星の消費電力を削減するため、スポットビームを設計するアルゴリズムを提案した。提案したアルゴリズムはサービス品質(QoS)要件を満たしつつ、総電力消費量を最小化するのを目標とした。さらに、大規模なIoT接続におけるスポットビーム設計の高複雑度を考え、シンプルなマルチビーム設計アルゴリズムも提案した。シミュレーション結果によって、提案法の有効性が確認された。
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