研究課題
1. Androidの悪性アプリの検知方式として、Inter-Component Communicationに着目した方式が注目されているが、相互特徴間で相関の強い特徴を除くため、検知に有用な特徴まで除去しうるという問題が存在した。そこで、特徴の良性と悪性での出現率の比率に基づいて、一方に頻出する有用な特徴を選択し、さらに、出現率の差も用いる方式を提案し、実データセットを用いたシミュレーションにより、提案方式の有効性を示した。2.車車間通信において、隣接車両から送信される偽装情報を、周辺の車両密度を用いて検知する方式があるが、周辺車両から受信した車両密度を正しく検証することができない。そこで、車々間通信における通信範囲の重複を用いた、偽装車両密度情報の検知手法を提案した。提案方式は、隣接車両周辺の車両数を、受信した車両密度を用いて計算するため、自身の通信範囲外に多くの車両が存在する場合、受信した車両密度が嘘であると検知できる。コンピュータシミュレーションによって、提案手法が従来手法の検知率を向上できることを示した。3.大学図書館では、貸出ログや入館ログといった利用データを用いて、図書館利用者の行動やニーズを分析し、サービス改善に繋げることはこれまでも行われてきたが、それらのデータからでは、施設の空席情報や滞在時間,館内での利用者の行動など、可視化できていない部分も多い。そこで、種々のIoT (Internet of Things) デバイスを用いて、慶應義塾大学理工学メディアセンターにおける利用状況把握の実証実験を行い、利用者の資料探索行動に焦点を当て、BLE (Bluetooth Low Energy) ビーコンと専用スマートフォンを活用した資料探索時の行動、移動軌跡を推定する手法について検討した。
2: おおむね順調に進展している
研究計画書に記載した研究内容に従って、順調に研究成果を挙げており、成果は、論文誌4編、国際会議7編、研究会6編として報告を行った。また、種々のIoT (Internet of Things) デバイスを用いて、慶應義塾大学理工学メディアセンターにおける利用状況把握の実証実験を行い、利用者の資料探索行動に焦点を当て、BLE (Bluetooth Low Energy) ビーコンと専用スマートフォンを活用した資料探索時の行動、移動軌跡を推定する手法についても検討した。
31年度も、研究目的で記載したサブテーマ、および、図書館での種々のIoT (Internet of Things) デバイスを用いて、慶應義塾大学理工学メディアセンターにおける利用状況把握の実証実験を継続して行い、Webインターフェースのセキュリティとプライバシーの確保と、効率的なデータ配信方式のサブテーマの研究成果を適宜組み合わせて、研究成果がよりあがるように努める。
物品費と謝金の支出が、計画より少なかったため、148.657円の助成金を翌年度に繰り越し、米年度分として請求した助成金と合わせて、計画に従って有効に利用する。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 7件) 備考 (1件)
情報の科学と技術
巻: 69巻3号 ページ: 117,120
IEICE Trans. on Communications,
巻: E102-B, No.3, ページ: 592.602
10.1587/transcom.2018EBP3122
IEICE Trans. on Communications
巻: ― ページ: ―
IEICE Communications Express
www.sasase.ics.keio.ac.jp