研究実績の概要 |
本研究では,まず、光CDMAの信号処理に必要な論理素子を検討する。複数の論理演算機能を集約するために入力される信号を PSK 信号とすることを考える.OOK 変調信号を PSK 変調信号に変換する過程で,全ての 0, 1 のビットの組合せは位相情報で表現されると考えられる.また,QD-SOA の出力光強度は入力光強度のみに依存して変化し,入力光の位相が回路特性に影響を与えない特徴を持つ.従って,本研究では PSK 変調された信号に対して QD-SOA を利用する回路構成で論理回路を構成する.RZ-BPSK 信号を入力とする AND/NOR 切替機能付き全光論理回路を提案する.また,提案手法の回路構成は 2 入力 1 出力の回路構成となっており,出力信号は RZ-OOK 変調信号である. まず、 RZ-BPSK 信号を利用して,論理演算結果を位相平面上の信号点として表現する.位相平面上で表現された信号点の中から,論理演算結果に相当する信号点を選択する.さらに、選択された論理演算結果に相当する信号点を RZ-OOK 変調信号に変換することにより、AND/NOR 切替機能付き全光論理回路を実現する. 提案回路に対する数値シミュレーションにより入出力波形とアイダイアグラムを確認した.性能評価により,AND 演算における消光比は 12.48dB,NOR 演算における消光比は 12.47dB が得られた.また,動作特性として Control Pulse の位相変化量について調査を行い,設定されるべき適切な位相変化量を基準としてπ/12の位相誤差の範囲で 10dB を上回る消光比が得られることを確認した. また、光CDMAのセキュリティ強化対策として、ブロック暗号の高階差分特性や計量ブロック暗号に対する積分攻撃についても検討した.
|