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2021 年度 実施状況報告書

人との共存のためのステレオカメラを有する3次元空間剛性可変腱駆動アームの制御

研究課題

研究課題/領域番号 17K06491
研究機関三重大学

研究代表者

駒田 諭  三重大学, 工学研究科, 教授 (10215387)

研究分担者 矢代 大祐  三重大学, 工学研究科, 助教 (60607323)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードロボットアーム / 制御 / 非線形バネ / 腱駆動 / 剛性 / 視覚
研究実績の概要

ヒューマノイドロボットのための視空間を用いたビジュアルサーボに関しては、実機実験を行い、内部パラメータ誤差により、ジョイントフィードバックで大きな誤差がみられた。一方でビジュアルフィードバックは画像処理遅れ時間と、画像上のノイズによってゲインが大きくできず、収束時間が大きくなってしまった。これにより、精密な動作が求められる状況ではビジュアルフィードバックを、素早い動作が求められる状況ではジョイントフィードバックを有効にするなど、状況に応じてセンサを使い分ける事ができる点から、ヒューマノイドロボットの様々なタスクや状況に対応できるようなシステムとして有用である。
非線形バネを有する腱駆動機構には、腱の張力に制限が存在し、張力指令値が制限を超えた場合、望みの指令値を得ることができなくなる。そこで、張力修正を行い、導出された張力が実現可能な範囲内であれば張力修正による張力を、実現不可能な範囲であればKKT条件による最適化を用いて張力リミッタの範囲内で、アーム先端の力と剛性を可能な限り元の指令値に近づけた新しい張力を指令値とし、2種類の手法を切り替えて使用することによって、2つの手法の欠点を補い合う方法を提案した。実現可能な指令値では張力修正が、実現不可能な指令値ではKKT条件による最適化がより張力の制約を満たしたうえでモーターへの負荷を減らす指令値を入力できることを確認した。
非線形な制御システムへの応用のために、高木-菅野ファジィシステムのセンサー故障推定に焦点を当て、Kalmanオブザーバーの構造とzonotope理論を組み合わせて設計されるZonotopic Kalman Observerの、フロベニウスノルムの最小化によるゲイン最適化法を提案した。
バネを含んだ制御システムの制御手法として、カメラと加速度センサを用いる手法の提案と、ばね定数の最適化を提案した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

これまで開発してきた手法の実験による評価を行い、国際会議での成果発表も行っている。さらに、非線形システムに対する故障検出、バネのあるシステムに対する制御法や、制御性能を最適化するばね定数の決定など、本研究に関係する様々な成果を排出できた。

今後の研究の推進方策

ヒューマノイドロボットのための視空間を用いたビジュアルサーボに関しては、アクティブカメラを使った方法に拡張し、非線形バネを有する腱駆動機構に関しては、指令値修正の最適化計算の高速化を行うことで、実用化に近づける。さらに、関連する制御手法の開発と検証を続ける。

次年度使用額が生じた理由

年度末に参加した2つの国際会議がオンライン開催となったため、使用金額が少なくなった。装置の改良のために使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Determining Optimal Tension Considering Tension Limit for Variable Stiffness Tendon Arms2022

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Tanaka, Satoshi Komada, Daisuke Yashiro, Kazuhiro Yubai
    • 雑誌名

      Proceeding of IEEJ International Workshop on Sensing, Actuation, Motion Control, and Optimization

      巻: 1 ページ: 289-293

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Zonotopic Kalman Observer-based Sensor Fault Estimation for Discrete-Time Takagi-Sugeno Fuzzy Systems2022

    • 著者名/発表者名
      Ren Weijie、Komada Satoshi、Yubai Kazuhiro、Yashiro Daisuke
    • 雑誌名

      2022 IEEE 17th International Conference on Advanced Motion Control (AMC)

      巻: 1 ページ: 1-5

    • DOI

      10.1109/AMC51637.2022.9729298

    • 査読あり
  • [学会発表] カメラと加速度センサを用いたモーター駆動系の遅延補償器を含む制御器設計2021

    • 著者名/発表者名
      新崎拓海, 矢代大祐, 弓場井一裕, 駒田諭
    • 学会等名
      電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会
  • [学会発表] 減速機,ばね,およびモータ/負荷側エンコーダを有する電磁モータを用いた負荷トルク制御系のばね定数の最適化2021

    • 著者名/発表者名
      近藤大智, 矢代大祐, 弓場井一裕, 駒田諭
    • 学会等名
      電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会
  • [学会発表] 6自由度パラレルロボットのためのリンク曲げモーメントを用いた位置制御系のカメラによる性能評価2021

    • 著者名/発表者名
      高橋翼, 矢代大祐, 弓場井一裕, 駒田諭
    • 学会等名
      電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会

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公開日: 2022-12-28  

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