ヒューマノイドロボットのための視空間を用いたビジュアルサーボに関しては、前年度に精密な動作が求められる状況ではビジュアルフィードバックを、素早い動作が求められる状況ではジョイントフィードバックを有効にするなど、状況に応じてセンサを使い分ける事ができる点から、ヒューマノイドロボットの様々なタスクや状況に対応できるようなシステムとして有用であることを示した。今年度は、画像センサよりもエンコーダ等の内界センサはサンプリングタイムを短くし、前年度実施した実験結果よりも性能を向上させることができた。 剛性可変腱駆動機構の制御に関しては、1関節におけるシミュレーションを作成し、関節のトルク制御と剛性制御の制御性能を明らかにした。 産業用ロボットや協働ロボットの軽量化や力制御性能の向上を目的として、モータ出力軸や減速機出力軸の先端部を低剛性の機構部品で構成する場合がある。しかし、機械共振周波数が低下し、高速運転時に振動が発生しやすいという問題がある。この問題を解決するために、剛性の低い機械部品のねじりトルクをフィードバックして振動を抑える方法が知られているが、推定誤差による自励振動や定常偏差が発生する可能性がある。そこで低剛性機械部品を介してモータ角と負荷角を併用し、バックラッシモデルを持つねじりトルク推定器を提案した.減速機付きモータの負荷側角度制御のシミュレーションと実験により、提案手法の有効性を示した。
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