研究課題/領域番号 |
17K06494
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤崎 泰正 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (30238555)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 制御工学 / 数理工学 / アルゴリズム / モデル化 / ディペンダブル・コンピューティング |
研究実績の概要 |
本研究課題「制御システムにおけるディペンダビリティの解析と設計」では、ランダマイズドアルゴリズムや確率的解析を制御システムの解析や設計に取り入れるという研究代表者らが行ってきた理論研究を、現代の高度にネットワーク化された制御システムの信頼性を解析し、設計できるシステム構築理論として、発展・充実させることを目指している。そのために、制御システムにおけるディペンダビリティの基礎と応用の両面から、研究を実施している。 計画2年目にあたる平成30年度は、ディペンダビリティの基礎に関して、分散アルゴリズムの性能保証の基礎となる確率近似法の停止則について、解説をまとめた。また、ディペンダビリティの応用については、計画1年目に萌芽的な研究成果が得られた同定と制御の統合について、さらに研究を進めた。ここでは、離散時間システムを対象に、動作データから直接最適レギュレータゲインを求めるアルゴリズムの構築を行った。また、ビデオ撮影によるサンプリング周期の長い位置検出を用いる場合など、入力の更新周期と出力の観測周期が一致しない状況でも適用可能な、多重周期サンプリングデータに基づくシステム表現と制御方式に関する研究成果をまとめた。さらに、大規模システムのディペンダブル制御についても研究を開始し、ネットワーク化された多数のパラレルコントローラによる制御系を対象に、協調動作を可能とする情報交換のチャンネル数とネットワーク構造について検討した。これらの成果は、雑誌論文および学会発表として研究発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
制御システムにおけるディペンダビリティの解析と設計について、基礎と応用の双方から、これまでの研究成果を雑誌論文にまとめるとともに、萌芽的な研究成果をいくつか得て学会発表も実施している。以上より、現在までの達成度はおおむね順調であると考える
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今後の研究の推進方策 |
計画3年目は,制御システムにおけるディペンダビリティの解析と設計について、基礎よりも応用に重点を置き、研究を進める。基礎については、既に研究成果をまとめ終わっているので、今後は応用を進める中で、新たな研究項目が埋もれていないかを探索する。応用については、同定と制御の統合に関して、これまで実施して来た適応最適レギュレータの研究成果をまとめるともに、大規模システムのディペンダブル制御に関しては、萌芽的な研究成果が得られているネットワーク化された多数のパラレルコントローラによる制御系の研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を実施しながら必要に応じて研究費を逐次執行したため、当初の見込額と執行額に若干のずれが生じた。全体としての研究計画に基本的な変更点はなく、前年度の研究費も含め、全体として当初予定通りとなるよう計画を進めて行く。
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