本年度は最終年度であり,最終年度の研究目的は,昨年度までに行った最終的な研究目的を達成するための理論的検討および実践的な拡張結果を統合する形で制御手法のスマート化の実現および実用的なスマート適応制御系の構築を図ることである. 具体的には,昨年度までに検討を行った,適応型およびテータ指向型モデルフリー制御系設計法,さらには,ロバスト適応制御手法のそれぞれの特徴を生かす形での統合を図り,制御手法のスマート化の実現および実用的なスマート適応制御系の構築を行った.さらに,構築したスマート適応制御手法の有用性を数値シミュレーションおよび実機での実証実験により検討し,スマート制御系実現のための総合的な検討を行った. 具体的には,以下の点に重点を置き拡張・検討を行うことで実用的なスマート適応制御系の構築を図った. (1)昨年度までに検討・拡張を行った適応型モデルフリー出力フィードバック制御手とデータ指向型モデルフリー制御系設計法および的硫黄予測制御手法とを組み合わせた2自由度の制御系構造を持つスマート制御系設計法のロバスト性の再検討を行い,任意の制御対象(連続系,サンプル値系,非線形系さらには無駄時間系を含む)に対するモデルフリー設計法を実現するスマート適応制御手法の実現を図った. (2)研究により構築したスマート適応制御手法の有効性および実用性を数値シミュレーションおよび研究室レベルの実験装置により検証した.
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