研究課題/領域番号 |
17K06512
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
李 春鶴 宮崎大学, 工学部, 准教授 (80431724)
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研究分担者 |
亀井 健史 宮崎大学, 工学部, 教授 (30177597)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 鉄筋腐食 / 雨水 / 温度 / セメント種類 / 自然電位 / 腐食速度 |
研究実績の概要 |
今年度は、長期材齢(3年程度)における屋外環境の水分供給と異なる材料特性がRC部材の鉄筋腐食に及ぼす影響を検討することを目的とした。高炉セメントB種、早強ポルトランドセメントを用いた供試体をそれぞれ作製し、屋内が温度20℃、相対湿度60%とし、屋外は雨風を遮るものがない場所に暴露しながら供試体の質量変化、自然電位、分極抵抗、腐食速度、コンクリートの抵抗などの腐食状況の検討を行った。環境の計測においては、室内の温度、湿度、室外の温度および降水量の計測を行った。 その結果、長期的な曝露を行う場合、高炉セメントB種および早強ポルトランドセメントに関わらず、雨水による水分供給が鉄筋腐食に及ぼす影響は小さく、初期の水分供給の影響も小さいことが確認できた。これは、既往の材料試験の結果とは異なる結果である。また、温度の影響もあるものの、その程度は水分よりも小さいことか明らかになった。これは、圧縮強度および酸素拡散係数などの単一な材料特性指標と異なる結果となり、鉄筋腐食の問題は、コンクリートの品質のほか、水分供給、乾湿繰り返し、温度による化学反応の進行程度などの複合的な影響要因になることが理由と考えられる。実構造物のデータと環境データを用いて、水分供給と温度の影響を比較検討も行い、研究室レベルと同様な結果を得た。 数値解析においては、環境状況を模擬して、解析検討を行い、モデルの高度化や今後の研究に貴重なデータを構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の実験は予定通り行い、成果を得ている。環境状況のシミュレーション、解析モデルの高度化の実施が予定通り進んでいない。さらなる精緻な検証が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
2年間の成果から、水分供給および温度の影響は小さいものの、その影響の定量化行うことが必要であることが考えられる。最終年度の研究内容にも反映する予定である。
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