• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

施工段階における表層部コンクリートの品質(緻密性・気泡組織)とスケーリング抵抗性

研究課題

研究課題/領域番号 17K06516
研究機関八戸工業大学

研究代表者

阿波 稔  八戸工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (10295959)

研究分担者 迫井 裕樹  八戸工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30453294)
月永 洋一  八戸工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (60124898)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード土木材料 / 寒中コンクリート / 養生 / 耐久性 / スケーリング抵抗性
研究実績の概要

積雪寒冷地におけるコンクリート構造物は,凍結防止剤の影響と凍結融解作用により表層劣化(スケーリング)を受けやすい環境下にある。本研究は,寒冷地コンクリート構造物を対象としたフィールド調査および室内試験を通じて表層品質(緻密性・気泡組織)とスケーリング抵抗性との関係について明らかにすることを目的としたものである。平成29年度の研究成果の概要を以下に示す。平成30年度の研究成果の概要を以下に示す。
1.高炉セメント(BB)を用いたコンクリートの凍結融解作用60サイクル終了時のスケーリング量より,給熱養生を想定した場合(15℃または5℃),追加養生として気中養生を行ったものは他の条件よりもスケーリング量が大きくなる傾向が確認された。さらに,型枠存置や透水型枠・保水シートを使用した場合,スケーリング量は少なくなることが確認された。追加養生期間の違いによる影響として,一部のケースを除き,追加養生期間が長期になるほど,スケーリング量が少なくなる傾向を示すことが把握された。
2.給熱養生を実施しない場合(8~-2℃),追加養生方法の違いがスケーリング量に及ぼす影響は少ないものの,いずれの追加養生方法においても,追加養生期間が長いものほど,スケーリング量が少なくなる傾向を示すことが確認された。このことから,寒中施工において,冬期間の外気温が比較的マイルドな地域あるいは時期(例えば,日平均気温が3℃程度)では,乾燥しやすい給熱養生は無理に実施せず,保温養生等,コンクリートの水和熱を利用した養生方法の検討も望まれる。
3.W/Bが45%以下,目標を6%程度としたコンクリートであっても追加養生が不十分な場合,スケーリング抵抗性が増加することが分かった。よって,高耐久なコンクリート配合であってもその耐久性を確保するためには基準類に示される標準養生期間に加えて追加養生を適切に行うことが重要と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度は,コンクリートの養生と気泡組織に着目し室内試験によりスケーリング抵抗性を評価した。予定した研究をおおむね実施することができた。よって,研究はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

令和元年度は,平成29年度のフィールド調査および平成30年度の室内試験の結果を踏まえ,所要のスケーリング抵抗性を保持するためのコンクリートの表層品質(緻密性・気泡組織)を明確にする。そして,その緻密性を実現するための養生方法・期間や組合せを整理し,スケーリング抵抗性に着目した寒冷地コンクリート構造物の品質確保システムを検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Influence of Concrete Curing on Surface Quality and Deicing Salt Scaling Resistance of Concrete2018

    • 著者名/発表者名
      Y. Sakoi, M. Aba, Y. Tsukinaga and M. Zhang
    • 雑誌名

      The 8th International Conference of Asian Concrete Federation (ACF2018) “SUSTAINABILITY AND INNOVATION IN CONCRETE MATERIALS AND STRUCTURES”

      巻: Vol.1 ページ: pp.595-601

  • [雑誌論文] 寒冷地域におけるコンクリート構造物の品質・耐久性確保に向けて2018

    • 著者名/発表者名
      阿波 稔、迫井裕樹
    • 雑誌名

      農業農村工学会、材料施工研究部会、材料と施工

      巻: No.57 ページ: pp.1-10

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi