1100℃加熱の場合,加熱がプレテンションPC桁の残存耐力や疲労性状・変形性状に及ぼす影響は著しく,継続使用を考える場合は適切な補強が必要となることが明らかとなった。本研究では汎用的な補強技術であるポリマーセメントモルタルによる断面修復と鋼板接着による補強を実施したが,耐力や初期剛性の回復,さらにはひび割れや変形の進行の抑制等,十分な効果を確認することができた。さらに,PC鋼材の受熱温度からプレストレスの減少率,PC鋼材とコンクリートの付着強度の低下率,およびPC鋼材の強度低下を推定し,それらを考慮することにより火災被災後のPC桁の残存耐荷力について安全側に評価できることを明らかにした。
|