研究課題/領域番号 |
17K06525
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研究機関 | 呉工業高等専門学校 |
研究代表者 |
重松 尚久 呉工業高等専門学校, 環境都市工学分野, 准教授 (10321481)
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研究分担者 |
大西 義浩 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (00321480)
河村 進一 呉工業高等専門学校, 環境都市工学分野, 准教授 (70315224)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 剥離掘削 / 端面掘削 / センターカッタービット |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、端面掘削方式による掘削効率を飛躍的に向上できる低騒音・低振動の新しい剥離掘削技術を開発することである。端面掘削方式は、エネルギー効率が良好なため、従来の機械掘削工法に勝る新しい掘削工法となる可能性が高く、本技術を利用してバックホウなどのアタッチメントを製作することにより、今後増加すると予想される原子力発電所の解体などの無人化施工への適応が期待できる。 今年度は、モルタル供試体におきて実機を想定したモデル実験により、端面掘削方式による剥離破砕技術の力学的なメカニズムを明らかにし、硬質岩盤やコンクリートにおける剥離掘削機を設計・開発するための課題を摘出した。実験装置を横向きに倒すように改良し、掘削孔内の掘削残土の排土を効率的に行うことにより、掘削残土が影響しないデータを取得し、掘削時の力の関係を把握することが可能となった。その結果、端面掘削の掘削段階が進むと掘削効率が上昇していたため、実際の多段型掘削機で掘削を行う際にも掘削段数を増やすと、掘削効率が上昇すると推測された。 また、摩耗しにくい高強度のディスクカッタビットをセンタービットに使用することで、硬質岩盤や構造物に対して効率よく剥離掘削を行うことができる。端面掘削を効率的に行うためには、芯残りのない先行掘削が重要となるため、この技術を応用して、硬質岩盤や高強度コンクリートでも掘削が可能な先行ビットを開発する。実験により、中心からのディスクまでの距離やディスクカッタビット間の距離を変化させることにより、芯残り(削りのこり)といわれる現象がない最適なディスクカッタビットの配置を決定した。その結果、高強度コンクリート供試体において、掘削速度は最小半径の増加に伴い減少していくことがわかった。また、芯残りが発生しない最大半径は65mmまでが限界であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
掘削中の廃土処理を効率的に行うために、実験装置を横向きに倒すように改良し、掘削孔内の掘削残土の排土を効率的に行うことにより、掘削残土が影響しないデータを取得することが可能となった。この実験装置を用いて、掘削機の1段目にφ12mm、長さ28mmのポイントアタックビットを2本、中心部にはフィッシュテールを設置し、2段目以降はそれぞれ1段目から30mm広がった位置へ刃があたるように、φ60mmのディスクカッタ-ビット2枚を10°の角度をつけて配置し、以降3段目、4段目同様な構造となっているモデル掘削機を製作し、実験を行った。端面掘削の掘削段階が進行すると掘削効率が上昇しているため、実機のこの方式を適用すると端面掘削においては掘削段階を増加させると掘削効率が上昇すると予想できる。今年度はモルタル供試体(一軸圧縮強度40N/mm2)においての実験であったが、センターカッタビットをディスクカッタビットに変更することで、岩盤などの高強度のものに対しても対応できる掘削機が作製できる。また、センターカッタビットの実験では、ソケットにひずみゲージを貼り、適切なキャリブレーションを行うことにより、掘削刃の作用する力を測定することができた。 本工法はビットを組み合わせることで、効率よく剥離掘削を発生できる掘削装置のため、押しつけ力によって生じる反力を把握し、掘削機を製作すれば、押しつけのみを制御することにより掘削を制御することができる。そこで、油圧制御をリアルタイムで行うために、電磁弁を配置しコンピュータ制御を行なうことにより最適な制御ができるように実験装置の改良を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、硬質岩盤で最適な掘削が可能な先行ビットを開発する。摩耗しにくい高強度のディスクカッタビットをセンタービットに使用することで、硬質岩盤に対して効率よく掘削を行うことができる。この技術を応用して、硬質岩盤でも掘削が可能な先行ビットを開発する。昨年度行った実験を元にして、硬質岩盤やさらには鉄筋コンクリートにおける中心からのディスクまでの距離やディスクカッタビット間の距離を変化させることにより、芯残り(削りのこり)といわれる現象がない最適なディスクカッタビットの配置を実験により決定する。 次に、本工法はポイントアタックビットとディスカッタービットを組み合わせることによって、効率よく剥離破砕を発生できる掘削装置が考えられる。本工法は押しつけ力のみで掘削を制御出来るため、岩盤掘削やコンクリート構造物の解体の無人化施工に応用できる。このようなモデル実験や要素実験を行うことによって、押しつけ力に対するそれぞれの反力を把握できるため、実機製作のための重要なデータとなる。昨年度導入した油圧制御システムを用いて最適な制御方法を見つけていくと同時に、実機製作のための問題点の検証を行っていく。 最後に、基礎的な実験を元にして、掘削刃に作用する力の変化を検知することにより、掘削刃の摩耗度を検知する摩耗度検知システムを開発する。また、それぞれの掘削刃にかかる荷重を制御することにより、最適な掘削速度と掘削刃の摩耗が軽減できる荷重制御シ ステムを開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外ではなく国内開催のシンポジウムに変更したため旅費の少なくなっているが、2018年6月開催のISTVS2018に投稿済みである。 また、パソコンから制御可能な電磁弁を購入し動作を確認したが、ソフトを購入していない。次年度は、計測制御用ソフトウェアを導入予定である。
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