研究課題/領域番号 |
17K06526
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研究機関 | 高知工業高等専門学校 |
研究代表者 |
横井 克則 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 教授 (80240183)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | フライアッシュ / 銅スラグ細骨材 / 人工軽量骨材 / 凍害抵抗性 / 中性化抵抗性 / 塩分浸透抵抗性 |
研究実績の概要 |
土木学会四国支部から平成28年3月に「四国版 フライアッシュを結合材として用いたコンクリートの配合設計・施工指針」が発刊され、四国内においてはこれまで以上に積極的にフライアッシュを利用できるようになった。しかし、本指針では使用するセメントが普通セメントに限定されていることから、他種の高炉セメントや早強セメントを使用したデータの蓄積も必要と考える。さらに、四国ではフライアッシュとともに銅スラグ細骨材の発生量も相当多くあることから、フライアッシュ、銅スラグそれぞれの特徴を活かしながら設計されたコンクリートについての強度特性、耐久性について、本校現有の試験装置を駆使して研究を遂行する。 平成29年度は、これまでに実施した研究結果を参考にし、フライアッシュを細骨材置換した場合、細骨材の10~20%程度がフレッシュ性状や、硬化コンクリートの強度や耐久性において最適であったことから、これらの配合に対して、高炉セメントや早強セメントを用いたコンクリート試験体を作製し実験的に強度や各種耐久性試験を実施し検討を進めた。フライアッシュと高炉セメントを併用することにより、初期強度の低下が予想されるため、28日強度で普通セメントほぼ同等となるような配合を目指した。また、中性化の進行も予想されるため、促進中性化試験と気中暴露による中性化試験の結果も比較検討し、データの蓄積をはかった。 また、フライアッシュと銅スラグ細骨材を併用したハイボリュームフライアッシュ重量コンクリートについても検討を実施した。フライアッシュを用いることで、銅スラグ骨材使用の際に懸念されるブリーディングの低減効果を確認できた。さらに、フライアッシュ、早強セメント及び人工軽量骨材を用いたPC床版用軽量コンクリートについても検討を行い、フライアッシュの有効性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フライアッシュや銅スラグ細骨材と、高炉セメントまたは早強セメントを組み合わせて完成したコンクリートの用途をいろいろ模索する中で、フライアッシュ+銅スラグ+高炉セメントは重量コンクリートとして消波ブロック(南海地震による津波被害軽減対策)に、またフライアッシュ+早強セメント+人工軽量骨材としてPC床版用軽量コンクリート(四国内の老朽化橋梁対策)への適用を考え、それらの性能を満たすための各種耐久性試験(中性化、塩分抵抗性、凍結融解等)及び疲労試験(水中)を実施しており、現在のところおおむね順調に研究を進展できている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度中に、平成30年度に実施する予定であったフライアッシュと銅スラグを用いたコンクリート試験体を多数作製しており、屋外暴露も含めて耐久性試験を継続して実施する。また、疲労試験についても水中疲労試験だけでなく、今後は気中での試験も実施する予定である。これらの結果を考察し、さらなる性能の向上を目指して修正配合を行い、フライアッシュと銅スラグ骨材を有効利用したコンクリートの開発を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ予定通り使用できているが、予定していた物品費よりも安く購入できた物品が有り、次年度使用額が生じた。翌年度に、同じ物品費として使用する予定である。
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