高強度鋼の素材疲労強度を加味した溶接継手部の疲労強度向上法の提案

2019 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 17K06530
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 構造工学・地震工学・維持管理工学
• 研究機関: 岐阜大学
• 研究代表者: 木下 幸治 岐阜大学, 工学部, 准教授 (90452169)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 橋梁用降伏点鋼板 / 疲労試験 / 残留応力

研究成果の概要

高強度鋼は切欠き感度が高いために，応力集中が起こる溶接部の疲労強度の確保が重要な課題である．本研究は，この課題の達成を目的とするものであり，高強度鋼の“素材疲労強度”を合理的に加味した疲労強度向上法の提示を目的とした．√areaパラメータモデルを用いて想定される素材疲労強度の下限値を提案し，提案した高強度鋼の素材疲労強度をHFMI処理された疲労強度評価手法に反映することにより，現行の疲労設計コードで規定される素材疲労強度を考慮した場合と比較して，HFMI溶接継手の疲労試験データに対する評価精度を向上させた．

自由記述の分野

破壊力学， 構造工学， 維持管理工学

研究成果の学術的意義や社会的意義

高強度鋼材の素材疲労試験データ蓄積に加えてき裂起点のミクロ・フラクトグラフィを基に√areaパラメータモデルの適用性を証明し，素材疲労強度を新たに提案・反映してHFMI処理された溶接継手の疲労強度評価の高度化を実証した点は極めて実証的である．従来の統計的な寸法効果の検討の多くは小型試験体などの継手形状が限られた疲労試験データを基に，単一の継手寸法を説明変数とした単回帰統計モデルにより評価されてきたが，従来データベースをより幅広い継手形状を検討可能かつ「全世界型」に更新した上で重回帰統計モデルを基に寸法効果を再評価した点は実証的である．