高レベル放射性廃棄物の地層処分に用いられるベントナイト緩衝材の長期挙動を評価するにあたり、粘土中の水分や膨潤状態を知ることは重要である。そのためには、粘土の水分や密度の非破壊的に測定する技術が必要となるが、水分と密度の両方を計測可能な手法は今のところ存在しない。一方、本研究で対象とした超音波計測では、弾性波速度が媒体の水分と密度の影響を受けて変化するため、これら諸量間の関係を定量的に調べておけば、超音波計測結果から水分と密度の両方を推定することが可能となる。本研究はこのような原理による新たな超音波スペクトロスコピーが可能であることを初めて示し、その実現に必要な基礎データを整備したものである。
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