研究課題
①高齢化鋼トラス橋の現有耐荷力評価と補修設計実務との相違点の検証:実橋載荷試験とシェル要素を用いたFEMによる全橋解析の結果から,上弦材,鉛直材及び斜材の平均軸応力については,実験結果と設計実務時の平面骨組計算結果も概ね一致しており,補修および腐食による部材間の応力バランスの変化は確認できなかった.下弦材の軸応力は,平面骨組み計算結果より小さくなる傾向であったが,実橋では縦桁が主荷重の一部を負担するためと考えられる.当て板補修部では,当て板の追加によって活荷重による偏心曲げモーメントが生じることが確認された.②トラスの主構部材が応力開放された場合に生じる応力再配分の影響:3径間連続トラス橋におけるスパン中央付近の下弦材が破断し死荷重応力が開放されたケースを想定した3次元骨組解析を実施した.下弦材を破断させた場合,破断箇所付近の縦桁端部および下横構の応力増加が顕著であった.また,橋断面に橋軸まわりのねじれ変形が卓越しており,これが2次部材の応力をさらに増加させた可能性がある.下弦材と下横構を破断させると,縦桁の降伏が破断部から離れた格間まで拡大し,中間支点上の上弦材にも約50%の応力増加が確認された.③腐食が進展した場合の終局耐荷力に関する解析的な将来予測:過去の科研課題において申請者らが提案した腐食進展予測モデルを適用した橋齢99年の既設トラス橋の圧縮部材および骨組モデルによるパラメトリックFEM解析を実施し,現状生じている局所腐食をさらに30年間進展させて場合の橋梁全体および部材レベルの耐荷力低下予測を試みた.その結果,これらの局所腐食が30年進展したとしても耐荷力は約4%しか低下しない結果となったが,トリガーとなった圧縮部材の座屈性状が腐食によって局部座屈や連成座屈に変わるケースがあることが明らかになった.
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Proc. Of ASEA-SEC-5(The Fifth Australasia and South-East Asia Structural Engineering and Construction Conference)
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