研究課題
2020年度の研究は主にアクリル酸とアクリルアミドの2種類のモノマーを用いる遊離基重合法(複合モノマー重合法)による重合ベントナイト(PB)の膨潤、透水特性について、3種類の溶液(蒸留水、0.6 M NaCl溶液、0.06M CaCl2溶液)を用いて検討した。PB中ポリマー含有量が10%のPBを0.1PB、20%のPBを0.2PBとする。(1)膨潤特性:同じポリマー含有量の条件では、複合モノマー PBの自由膨潤指数(FSI)がアクリル酸のみをモノマーとしたPBのFSIより高い。蒸留水の場合、100 ml/2gを超え、0.6 M NaCl溶液でも30 ml/2gになっている。同じ乾燥密度では膨潤圧も高い。また、ポリマーの含有量の増加により、膨潤量と膨潤圧ともに増加する。(2)透水特性:0.1PBで間隙比5、0.2PBで間隙比7までPBの透水係数は0.6 MNaClと0.06MCaCl2の両方の溶液で10-10 m / sより低い。 これらの結果により、複合モノマー重合法のPBは陽イオン濃度が高い環境下で使用されるジオシンセティッククレイライナー(GCL)の芯材として使用できることを示唆している。
2: おおむね順調に進展している
2020年度の研究は、複合モノマー重合法によるPBの基本性質について、自由膨張、圧密・透水試験を用いて検討した。この研究のさらなる発展のため、複合モノマー重合法によるPBを芯材とするPB-GCLの自己修復能力の研究を残している。そのために研究期間をさらに一年延長した(2022年3月31日まで)。
(1)複合モノマー重合法によるPB-GCLの自己修復能力を試験的に検討する。(2)研究成果を積極的に国際会議、学術ジャーナルに発表する。
コロナの影響で予定した海外出張費が使わなかった。今年度はGCLの自己修復能力に関する試験を継続するので、学生謝金及び旅費として残りの予算を使う予定である。
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