研究実績の概要 |
ハイテク産業の発展により,それらに用いられる電子部品等の洗浄に用いられる有機溶剤による地盤汚染が問題となっている.現在,有機溶剤による地盤汚染への浄化工法には,空気を圧入して有機溶剤を気化させ,その気体を回収する方法がある.しかし,地盤内の回収量の定量評価は困難であり,有機溶剤が部分的に残存する可能性が高い.そのため, 地盤中に取り残された有機溶剤を効率的に回収するためには,地盤の間隙構造,流体の流動特性および注入流体と有機溶剤との相互作用を把握することが重要である.そこで, 初年度は本研究は地盤中におけるガスの流動特性を, X線CT撮影および屈折率の等価性を利用した模型実験による注入ガスの可視化実験を組み合わせることによって評価することを検討している.本概要では,屈折率の等価性を利用した模型実験による注入ガスの可視化実験の結果を報告する. 作成した模型の下方から空気を注入した際に,どのように上部に進んでいくのかを時間ステップで観察した画像である.このように, 屈折率の異なる空気のみを可視化することに成功している様子がわかる.チューブ周辺に気泡が集まっている原因として,模型の作成時において,チューブ周辺の構造が緩詰になってしまったことが考えられる.得られた白枠の3点目について,既に存在している経路に合流せず,別の経路を進んでいる様子が見て取れる.空気の経路は一つではなく,複数存在するということがわかる.今回は2秒間の空気の挙動を0.25秒間隔で撮影したものであるが, 時間ステップをさらに短くすることで, 詳細に空気の経路を特定できるた.
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