研究課題
地盤の液状化対策を目的とした極超微粒子セメントを利用した浸透固化技術の開発を目的としている。とくに、細粒分含有率Fc=15%以上の砂地盤への適用の拡大を目的として、室内浸透固化試験による検討を目的としている。今年度は、助成初年度の取り組みとして、室内2次元浸透固化試験装置と室内3次元浸透固化試験装置を準備し、細粒分含有率Fc=15%の飽和砂地盤を試験装置内に作成した。室内2次元浸透固化試験装置の利用は、浸透過程の可視化により、セメントミルク注入後の追い水注入過程を調べ、より効率的な浸透促進技術の検討を目的としている。室内3次元浸透固化試験装置の利用は、実地盤での浸透状態により近い浸透過程を再現し、浸透促進技術の併用効果の検証を目的としている。これら2つの試験装置を利用し、追い水注入による浸透促進技術の適用について、異なるセメントミルク濃度での浸透固化試験を実施した。室内2次元浸透固化試験では、追い水注入による浸透促進される過程の可視化を行い、その効果の確認を行った。また、室内3次元浸透固化試験では、追い水注入による浸透促進技術を併用することにより、より少量のセメントにより、よりサイズの大きい固化改良体の実現が可能な、セメントミルク濃度の検索を行うことができた。今年度の作成した室内2次元・3次元浸透固化試験装置により、本技術開発に資する成果を創出することができることがわかり、さらに研究開発を進めることができることを確認できた。
2: おおむね順調に進展している
今年度予定していた、室内2次元浸透固化試験装置と室内3次元浸透固化試験装置の準備と、これらの装置を用いた細粒分含有率Fc=15%の砂地盤に関する一連の試験シリーズの実施、追い水注入による浸透促進技術の適用の検討を異なるセメントミルク濃度で確認を行うことができた。これらの研究成果をまとめて精査を行ったところ、今年度作成した室内2次元・3次元浸透固化試験装置により、本技術開発に資する成果を創出することができることを確認することができた。
初年度の取り組みとして、作成した室内2次元・3次元浸透固化試験装置により、本技術開発に資する成果を創出することができること、細粒分含有率Fc=15%の砂地盤に関する一連の試験シリーズを実施したことなどを踏まえて、今後の方針として、より細粒分含有率の高い砂地盤への適用の可能性について、一連の試験シリーズを実施し、検証していくこととする。
室内浸透固化試験用の物品購入が、当初予想していたより低くなった。次年度においては、必要となる実験シリーズも増加する予想なので、次年度に請求する助成金と合わせて使用する計画である。
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