研究実績の概要 |
(1) 生育状況の地上検証データ取得: 前年度に引き続き、山梨県内の複数の農地(水田:甲斐市,北杜市、ぶどう:甲府市)を対象とし、インターバルカメラによる作物生育状況の連続静止画撮影(1日間隔)を行うとともに、画像解析(Green Chromatic Coordinates, VI-Greenの抽出)により生育状況の時間変化を抽出した。 (2) 衛星データ処理システムの検討: 千葉大学環境リモートセンシング研究センターが提供している「ひまわり8/9号フルディスク (FD) gridded data」より、可視・近赤外バンドのデータを取得・処理方法について検討を行った。本研究で対象とする日本の農地は、一区画当たりの面積が小さいため、衛星画像の正確な位置合わせが必要となるが、本データセットは、すでに精密幾何補正が施されており、本検討に適したデータと言える。その一方で、フルディスク(地球全体の半球)のためデータ容量が膨大となることから、処理の効率化・高速化に向けたシステムの改善も必要となることが明らかとなった。 (3)数値モデルによる農地水収支の検討: 山梨県のブドウ栽培農地を対象として、ブドウ農地水文モデル(VSIM)を用いた生育状況及び水収支の再現・推定を実施した。また、実測土壌水分ならびに前述のインターバルカメラによる作物生育状況の記録結果とモデル計算結果との比較を行い、モデルの妥当性を確認した。また、水田の作物用水量推定を目的として、国際連合食糧農業機関(FAO)により開発され様々な地域での適用実績を有するCROPWATモデルのテストランを実施した。
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