研究課題/領域番号 |
17K06597
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
杉木 直 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30322019)
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研究分担者 |
鈴木 温 名城大学, 理工学部, 教授 (00356073)
北詰 恵一 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (50282033)
宮本 和明 東京都市大学, 都市生活学部, 教授 (90150284)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | マイクロシミュレーション / 都市モデル / 住宅ストック / 入手可能データ / 居住誘導 / 政策分析 / 安定性 / 再現性 |
研究実績の概要 |
最終年度は、シミュレーション結果と実績値の比較による再現性の検証、および居住誘導施策の実証分析を実施した。愛知県豊橋市を対象として構築した都市マイクロシミュレーションモデルを用いて、シミュレーションを実行し、国勢調査、住民基本台帳データとの比較により再現性を検証した。人口動態については概ね高い再現結果が得られたが、地域外との人口、世帯の流出・流入に関する再現性に課題が見られたことから、域外転出に関するパラメータの調整を行い、モデルの表現性能改良を行った。富山市を対象とした居住誘導施策の実証分析においては、住宅ストック遷移マイクロシミュレーションを用いて、立地適正化計画における居住誘導施策の有無による2ケースのシミュレーションを実施し、居住誘導ゾーン内での持家集合の需要の増加,居住誘導ゾーン外において空家となった住宅ストックの除却や、持家戸建と賃貸集合の新規建設件数の増加等が把握された。また、豊橋市を対象とした分析においては、居住誘導区域の設定を現在の設定と、より集約された設定として鉄道駅から1kmの範囲に狭めた場合のシミュレーションを実施し、居住誘導区域内への転居が促進されることを確認した。 期間全体を通じた本研究の成果として、既存の都市マイクロシミュレーションに住宅ストック遷移機能を付加することで、住宅ストックの遷移と関連付けられたマイクロ世帯の入居を表現する都市マイクロシミュレーションモデルが構築された。また、入手可能データのみによるモデルの構築手法を提示し、シミュレーションの安定性・再現性の検証結果と合わせて、マイクロシミュレーション型モデルの都市分析への活用可能性の向上に貢献できた。さらに、居住誘導施策を対象とした実証分析より、都市マイクロシミュレーションによる本質的な将来人口分布予測に基づいた立地適正化計画の策定支援に資する研究成果が得られた。
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