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2018 年度 実施状況報告書

一定期間供用された地区交通安全対策実施路線の機能診断モデルの構築とその活用手法

研究課題

研究課題/領域番号 17K06611
研究機関呉工業高等専門学校

研究代表者

山岡 俊一  呉工業高等専門学校, 環境都市工学分野, 教授 (70343738)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード生活道路 / 交通安全 / 機能診断 / ゾーン30 / 交通静穏化対策 / 自動車走行速度 / 住民意識
研究実績の概要

2年目は自動車走行速度調査を継続し、53路線のデータを得た。また、名古屋市緑区長根台地区、守山区大森地区、豊田市浄水原山地区、呉市西中央地区においてアンケート調査を実施した。これらのデータを分析することにより、主に以下の知見を得ることができた。
(1)生活道路の構造と自動車走行速度の関係性を明らかにした。具体的には路線長(長いほど走行速度が高まる)、シケインダミー(コミュニティ道路等の整備により走行速度が低くなる)である。(2)自動車走行速度の実態と住民の安全性評価の関連性を示した。その結果、実際の自動車走行速度が高まれば、住民の安全性評価が下がる傾向にあることが分かった。(3)住民の生活道路に対する評価や重要度意識を明らかにした。その結果、交通安全性が最も重視されており、続いてバリアフリーであった。景観については5項目の中で最下位であった。(4)ハンプや狭さく等の物理的な交通静穏化対策に対する住民の受容性を分析した。その結果、コミュニティ道路、ハンプ、狭さくともに導入に対して賛成の住民が多かったが、約20~37%程度の反対の住民も存在することが分かった。(5)面的な対策(ゾーン30)を実施したとしても、道路構造や対策内容によって路線ごとの自動車走行速度の低減効果には差がみられることが分かった。特に、幅員が広い道路や歩車分離型の歩道が整備されている道路で自動車走行速度が高い傾向にあることが分かった。
以上は、一定期間供用された交通安全対策実施路線の機能診断を実施する上で重要な知見であると言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

所属機関のある広島県呉市は、平成30年7月豪雨による大きな被害を受けた。そのため、8月・9月に予定していた自動車走行速度調査およびアンケート調査を当初の予定の4割程度しか実施できなかった。また、データが揃えられなかったこともあり、地区交通安全対策実施路線の機能診断モデルの検討も十分にできなかった。しかし、自動車走行速度への影響要因分析、住民の生活道路の交通安全対策への評価に関する様々な知見が得られた。以上の理由から、「やや遅れている」と評価した。

今後の研究の推進方策

(1)引き続き自動車走行速度調査を実施し、生活道路100路線のデータ収集を目指す。その際、整備レベルを考慮してバランスよくデータ収集する。(2)自動車走行速度調査を実施した地区においてアンケート調査を実施する。約5地区を検討している。(3)住民のニーズと地域特性(高齢化率、生活サービス施設の立地状況、年少人口等)を考慮した一定期間供用された交通安全対策実施路線の機能診断の手法を検討し、確立を目指す。

次年度使用額が生じた理由

所属機関のある広島県呉市は、平成30年7月豪雨による甚大な被害を受けた。その影響で、調査計画を大幅に変更せざるを得ない状況になった。その結果、自動車走行速度調査およびアンケート調査が計画の5割程度しか実施できず、その分の使用額が執行できなかった。
そのため、3年目に残りの調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] ゾーン30の整備効果に関する調査研究2019

    • 著者名/発表者名
      村松佑都,山岡俊一,野田宏治,荻野弘
    • 学会等名
      第4回日本福祉のまちづくり学会中国四国支部研究・活動発表会
  • [学会発表] 一定期間供用されたコミュニティ・ゾーンの整備効果と住民意識の経年変化に関する研究2018

    • 著者名/発表者名
      長沖嶺,山岡俊一,坂本淳,磯部友彦
    • 学会等名
      日本福祉のまちづくり学会全国大会
  • [学会発表] 面的交通静穏化対策の整備効果と課題に関する経年変化分析 -名古屋市長根台地区コミュニティ・ゾーンを事例に-2018

    • 著者名/発表者名
      山岡俊一,坂本淳,磯部友彦,長沖嶺
    • 学会等名
      土木計画学研究・講演集 Vol.58

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公開日: 2019-12-27  

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