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2019 年度 実績報告書

建物の耐力と火山灰の堆積特性を考慮した効果的な除灰方法

研究課題

研究課題/領域番号 17K06664
研究機関都城工業高等専門学校

研究代表者

山本 剛  都城工業高等専門学校, 建築学科, 准教授 (20240103)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード火山灰 / 積灰荷重 / 火山災害 / 噴火 / 木像住宅 / 除灰
研究実績の概要

屋根の除灰が必要となる火山灰の地上堆積厚さを評価するために、木造住宅30棟分の設計図書から部材寸法を採取し、積灰荷重に対する木造住宅の構造安全性を許容応力度計算の手法を用いて調べた。また、降雨後の積灰荷重を評価するために屋根に堆積させた飽和火山灰の排水特性を調べた。平成30年度の研究結果に基づき、屋根上堆積厚さの地上堆積厚さに対する割合を60%に設定し、母屋が損傷する際の地上堆積厚さを調べたところ、乾燥火山灰の場合は333~600mm、湿潤火山灰の場合は250~350mmであることが分かった。平成29年度の研究結果に基づき、1時間あたりの除灰量を1000kgに設定して除灰に要する時間を調べたところ、30㎡の屋根に堆積した3.7kN/㎡の火山灰を50%除去するのには5時間半の時間が必要であり、除灰の運動負荷の大きさを考慮に入れると、除灰に不慣れな住宅所有者による大規模噴火時の除灰は実現性が低いことが明らかとなった。また、ガルバリウム屋根および瓦屋根に飽和火山灰を堆積させた後に自然排水させ、体積含水率の14日間の経時変化を調べたところ、体積含水率の減少量は3~12%であり自然排水による湿潤火山灰の重量減少は期待できないこと、軒先付近の体積含水率が高くなることが分かった。
本研究の実施により、火山灰の地上堆積厚さが20cmを超えた場合には除灰指導を受けた作業者による除灰作業を速やかに実施し、降雨等により火山灰が湿潤化した場合には軒先部分の火山灰から除去を始めるのが効果的であることを明らかにした。また、研究成果を社会・国民に発信するために、日本建築学会大会および日本建築学会九州支部で研究発表を行うとともに、一般市民を対象とした防災シンポジウム「霧島山のふもとに生きる。 みんなに話したくなる山のはなし(日時:令和元年12月8日 会場:ウェルネス交流プラザ)」を実施した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 木造住宅の屋根に堆積した火山灰の除灰方法に関する研究 その3.除灰を必要とする火山灰堆積厚さの検討2020

    • 著者名/発表者名
      山本剛
    • 学会等名
      日本建築学会 九州支部
  • [学会発表] 木造住宅の屋根に降下する火山灰の堆積性状2019

    • 著者名/発表者名
      山本剛
    • 学会等名
      日本建築学会 2019年度大会(北陸)

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公開日: 2021-01-27  

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