研究課題/領域番号 |
17K06691
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
開原 典子 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (70756486)
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研究分担者 |
林 基哉 国立保健医療科学院, その他部局等, 統括研究官 (40320600)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 皮膚含水率 / 乾燥感 / 快適感 / 湿度 / 高齢者 / 健康リスク低減 / 予防 |
研究実績の概要 |
本研究では、老化に伴い生理機能が低下する高齢者の健康リスク低減対応の一環として、乾燥疾患予防のための室内環境管理対策モデル提案に取り組む。高齢者の皮膚は若年者よりも乾燥しやすく、老人性乾皮症、老人性皮膚掻痒症といったトラブルに繋がりやすいと言われており、介護支援専門員等から、皮膚のケアの負担を懸念する声も聞かれる。本申請では、高齢者のQOL(Quality of Life)向上の基礎となる情報整備とその発信として、皮膚乾燥疾患予防のための室内空気衛生環境条件を調査し、乾燥感の生じるメカニズム解明への道筋をつけるとともに、高齢者の皮膚乾燥疾患予防のための湿度基準に関するエビデンスの構築と高齢者の健康維持増進のための室内空気環境に関する住まい方のモデルケース提案を行うことを目的とする。 本研究は、1)日常生活における乾燥感発生予防に関する実態調査研究と、2)乾燥疾患の予防に関する実験室研究の2つの研究からなる。実態調査では、室内のQOL改善に関心の高い高齢者を対象に、生理量・心理量・環境測定を複数年に渡り行う。実験室でも同様に高齢者の協力を得て、無理のない範囲で生理量や心理量の測定を行う。本年度は、皮膚水分率の深さ方向の分布などの生理量と心理量の測定を実験室行うとともに、統計解析及び人体モデル等を用いた解析を行い、乾燥疾患予防のための湿度条件を含めた物理要因の寄与率の算出に着手した。これらの結果について、次年度の改善提案に落とし込む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終年度の測定を前倒しで行い、成果の充実を目指した。得られた結果を基に、改善提案の準備に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、継続協力の高齢者を対象に改善パターンに基づく調査を行い、データを構築するとともに、QOL改善後に生理量及び心理量の測定を行い、課題点の整理を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を前倒しで進めるために、前倒し支払い請求を行ったが、変更額よりも少額で対応できた。翌年度分として請求した助成金と合わせ、残りの研究を遂行する予定である。
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