研究課題/領域番号 |
17K06695
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
齋藤 雪彦 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (80334481)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 通い型管理 / 空き家 / 耕作放棄 / 他出子弟 / 帰省行動 |
研究実績の概要 |
2017年度総括として調査では、群馬県南牧村の3集落において空き家の管理者(所有者)の属性、墓参り、空き家管理、耕作の状況を聞き取り、合わせて、在住世帯への属性、耕作状況を聞き取った。その結果、 1.全体の空き家率は62%であるが、耕作する68世帯のうちで、空き家管理世帯は13世帯(空き家世帯の約1割)であり、3集落の耕作世帯の約2割を空き家管理世帯が担っていることが明らかになり、通い耕作が農地の維持に一定の役割を果たすことを明らかにした。 2.同時に、年数が経つと、「耕作+空き家管理+墓参り」(5年以内多い)が「空き家管理+墓参り」(5-10年多い)、「墓参り」、「帰省しない」(両方とも10年超で多い)へと縮小していくことが分かり、10年以内の空き家の活用が重要である。同時に空き家の約1/4は月1回の帰省が見られる。5件は10年超経過しても月1回以上帰省し注目される。 3.空き家の管理状況と空き家管理者居住地の距離に相関は見られなかったが、遠方の別荘利用者よりも集落内、村内での知人・親戚による管理が多く見られ、近隣地域での相続ではない譲渡、売却を促進することが求められる。 4.空き家管理者のうち、8事例では週末ごとに帰省すると答え、「荷物整理」だけでなく、「耕作」、「避暑」、「地域住民とのお茶のみ、飲み会」、「散歩」、「空き家でのんびりする」などの多様な行動が見られ、こうした空き家管理者のネットワーク化、地域社会参画が地域社会、地域空間の維持に資するものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
通い型管理について南牧村の事例調査において一定の知見を示すことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
秩父地域、前年度と同様の群馬県西毛地域において知見の一般化をはかり、南牧村等では、郵送アンケート調査をはかり、空き家管理者の滞在行動を詳細に分析する。
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