2019年度は神流町について通い住民のアンケートを行い、前年度までの神流町ヒアリング調査、南牧村アンケート調査、同ヒアリング調査との比較分析を行った。 さらに南牧村調査については、環境情報科学センター英文誌にJornal of Environmental Science に投稿した(審査中)。同時に日本建築学会大会学術講演梗概集に掲載した。またeuropean societty of rural sociology の国際学会でも発表を行った。 これにより各4検体で通い住民の来訪頻度が月1回以上が約3割に上ること、南牧村では約3割を住民と通い住民のうち、通い住民が占めること、社会的志向(集落つきあい)と個人的志向(余暇、財産管理)が独立的に存在することが明らかになった。これにより通い住民の地域社会への社会的インパクトが試行的にではあるが示される。具体的には南牧村では人口の約3割、耕作者のうち約2割、儀礼的つきあいを行う者のうち約1割を通い住民が占めることを明らかにした。神流町では人口の約1割、耕作者、儀礼的つきあいを行う者のうちでは約1割弱となる。次の研究課題として、住民への悉皆アンケートを行うなどより精緻な社会的インパクトの定量化が考えられる。また同時に空き家管理者だけでなく、地域外家族による在住者への生活支援をも定量化することが挙げられる。この一連の研究により、通い住民、空き家管理施策、関係人口支援に関する政策支援に関わる提言が行えるものと考える。なお次年度研究に向けて既に群馬県甘楽町からは調査協力の依頼を許諾してもらっている。
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