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2019 年度 実績報告書

個室ユニット型特養におけるインカム導入が介護職員の負担軽減に及ぼす効果

研究課題

研究課題/領域番号 17K06703
研究機関京都大学

研究代表者

三浦 研  京都大学, 工学研究科, 教授 (70311743)

研究分担者 山口 健太郎  近畿大学, 建築学部, 教授 (60445046)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードインカム / ストレス / 介護 / 特別養護老人ホーム / チームケア / 歩数
研究実績の概要

最終年度は,身体的,精神的負担の両面からインカム導入効果を研究した.まず,インカムを導入した特養Aで職員向けアンケート調査を実施し,他の職員をして動く回数,他の介護職員との連携,チームケアの推進,他の職員を待たせる時間に改善が認められ,業務時の移動距離にも改善傾向が認められた.こうした結果は2017年度と同様であった.さらに,2017年度にインカムを導入した特養Hで,インカム導入の長期的効果を測定した.その結果,導入9か月後では明確に表れなかった歩数軽減効果が,導入2年後の調査では29.3%も有意に減少する結果を得た(p<0.05).インカムの導入の定着により,介護職員の身体的負担の軽減に寄与することを示唆する結果を得た.
一方,介護行為の精神的負担を把握するため,(株)Arblet社が開発した3波長光学式センサー等により自律神経バランスを測定可能なリストバンドを介護職員に装着してもらい,時間領域(CVRR),周波数領域(LF/HF),非線形システム(SD1/SD2)の3指標で,インカム使用時を含む介護時のストレスを特養Hで調査した.その結果, 排せつ介助,おむつ交換など,いわゆる3K(きつい,汚い,危険)とされる介護以上に,事務所等への電話,職員間の会話(特に看護師相手),脈拍・血圧測定などの身体的接触を伴う介護,居室での一対一の介助において,精神的ストレスが高いという結果が得られた.また,一部の職員はインカム使用時のストレスが有意に高かった(ただし,これは会話内容にも起因した結果と考えられる).以上,インカムの導入は職員間の連携を促し,無駄な移動を減らすことで身体的な負担軽減に寄与する.また,介護現場のストレスが対人関係に起因する結果から,チームケアや職員間の連携に寄与するインカム導入は精神的ストレスの改善にも有効であることを明らかにした.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] デイサービスにおけるインカム導入効果2019

    • 著者名/発表者名
      陳淑君・三浦研
    • 雑誌名

      日本建築学会近畿支部研究報告集

      巻: 第59号計画系 ページ: 181-183

  • [雑誌論文] デイサービスにおけるインカム導入効果2019

    • 著者名/発表者名
      陳淑君・三浦研
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      巻: 建築計画 ページ: 159-160

  • [学会発表] ウェアラブル機器を用いた介護職員の行動とストレスの把握に関する研究 その12020

    • 著者名/発表者名
      陳淑君・三浦研・安田渓
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演会
  • [学会発表] ウェアラブル機器を用い2介護職員の行動とストレスの把握に関する研究 その12020

    • 著者名/発表者名
      三浦研・陳淑君・安田渓
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演会
  • [学会発表] デイサービスにおけるインカム導入効果2019

    • 著者名/発表者名
      陳淑君・三浦研
    • 学会等名
      日本建築学会近畿支部研究報告会
  • [学会発表] デイサービスにおけるインカム導入効果2019

    • 著者名/発表者名
      陳淑君・三浦研
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演会
  • [備考] 先端機器を用いた介護職員の負担軽減とストレスの把握に関する研究

    • URL

      https://www.miuraken.archi.kyoto-u.ac.jp/archives/514

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公開日: 2021-01-27  

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