本研究は,歴史地区登録制度を対象に,地区登録が不動産物件の取引価格に及ぼす政策効果を計量的に明らかにするための方法論を開発している.具体的には,米国・アトランタの歴史地区登録制度を対象に,リピートセールス法と混合地理的加重回帰モデルを組み合わせた独自モデルで,政策効果の空間的異質性を明らかにしている.また,分位点回帰モデルで,政策効果の不動産価格帯毎の異質性を明示的に検証し,ジェントリフィケーションとの関係性を明らかにしている.さらに,日本・京都の眺望景観保全地域を対象に,賃貸住宅価格データを回帰不連続デザインに適用することで,地域指定による境界効果を因果的に解明している.
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