研究課題/領域番号 |
17K06714
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
小野 尋子 琉球大学, 工学部, 准教授 (20363658)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 大規模跡地利用 / 普天間飛行場 / 水循環基本法 / 計画策定支援 / アクションリサーチ / 流域圏開発と調整 |
研究実績の概要 |
普天間飛行場跡地利用(約480ha)を進めていく中で、水と緑のネットワークを考えて、持続可能な地域環境を整えるために必要な事項として、流域圏における水収支と水利用を解明し、土地利用計画としてのあり方について研究を進めた。 これまでの研究の成果をベースにしながら、今年度は、普天間飛行場が現在涵養源となっている宜野湾市の大山土地区画整理事業、および西普天間住宅地区土地区画整理事業との大規模開発事業間の調整の場面において、調査した結果を踏まえながら調整を果たし、研究策定支援型の成果を上げた。 実際には、沖縄県庁企画部企画調整課、宜野湾市政策部まち未来課、宜野湾市市街地整備課、観光農水課、跡地利用計画請負コンサルタント、地主会等に対して調査結果を踏まえた地下水の流域圏単位での水の利活用計画及び表面の土地利用や涵養対策と連動し土地利用のあり方について、部局間調整及び対地権者勉強会、コンサルタントへの情報提供等を実施しながら計画調整を行ってきた。それにより、緑地計画をより効果的な位置に配置することなどを提案し、一部は行政計画に反映された。提案型研究として研究成果を実際の開発の中に位置づけられたのは有意義な成果だといえる。学会論文や学会発表も精力的に行った。 また、緑化によるまちづくりの先進国であるシンガポールで開催される国際学会の機会に合わせて渡航し、HDBやNparksに緑化と都市づくりについてヒアリングを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
学会発表も行い、また、当初予定していた海外事例視察にも行くことができ、さらに研究成果を還元すべき相手先(行政や地権者)との関係も築けているため
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今後の研究の推進方策 |
普天間飛行場を含む宜野湾の5流域での地下水の水収支については、ほぼ正確な値が出てきており、また、地権者含め地域にも説明ができてきている。涵養量としてどの程度必要なのか、については説明しえたと考える。 一方で、これを次にどのように地下水として涵養するか、緑地から涵養するのか、浸透桝などから涵養するのか、民有地の緑化規定まで盛り込むのか、等については、まだ合意が見られないことから、現在一番コストが低いと考えられる国立公園の緑地の取り方について、新規に生み出される市街地とのいい関係をどのようにするか等事例を集めて、整理していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画申請時に予定していた海外公演事例の視察2件について、1件が残っており、それを実施する予定である。
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