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2018 年度 実施状況報告書

日米比較を通した事前復興まちづくり手法の体系化

研究課題

研究課題/領域番号 17K06715
研究機関首都大学東京

研究代表者

市古 太郎  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (10318355)

研究分担者 MALY Elizabeth  東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00636467)
井内 加奈子  東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (60709187)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード事前復興 / 都市防災 / レジリエンス(回復力) / 防災まちづくり / 災害マネージメント / 危機管理 / 安全保障
研究実績の概要

本研究は,阪神・淡路大震災を直接的な契機として展開してきた我が国の「事前復興まちづくり」を日米比較の視点から相対化・体系化していくことをめざす.研究2ケ年度目となる2018年度は,①ワシントン州シアトル都市圏におけるカスケディア地震津波対策の取り組みに関する現地調査とワシントン大学での公開セミナー,②国際都市計画史学会(International Planning History Society)の横浜大会(2018/7月)での公開セッション(研究代表者の市古が”Needs and roles for city planning on the aftermath of disaster”として発表し,研究分担者のLiz Maryがセッションコーディネート)での成果公開と関係者との意見交換,③首都直下地震を主対象とした東京都災害ボランティアセンターの事前準備に関する調査(市古が2018年度に「東京都災害ボランティアセンターアクションプラン推進会議」による第2期アクションプラン(2019.4~2023.3)の策定作業に参画しアクションリサーチを実施,④東京都豊島区・葛飾区における事前復興まちづくりに関するアクションリサーチを実施した.ここで言う「アクション・リサーチ」とは,東京都域の災害ボランティアセンター設立にむけた検討に研究者としての知見を提供しつつ,NPO/NGOや災害支援団体の取り組み実態や応答の中で,考察を深めていくことを指している.
東京を中心とした事前復興まちづくりの最前線で調査に従事すると同時に,米国との比較の視点から死角がないか,考察を進めることができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始1年目の2017年7月のイリノイ州立大学RobertOlshansky教授とのセミナー,2017年9月のサンフランシスコ・ベイエリア調査,また東京でのアクションリサーチを通して研究計画の具体詳細化と米国現地調査を実施した.
2年目となる今年度は,研究実績概要で示したとおり,ワシントン州シアトル都市圏の現地調査に加えて,国際学会での成果発表とディスカッション,東京における事前復興まちづくりの最先端の現場におけるアクションリサーチを推進するなど,おおむね順調に進捗しているものと考えられる.
特に今年度,研究代表者は2018年9月の日本建築学会都市計画部門研究協議会「復興まちづくりと空間デザイン技術」において「事前復興のデザイン技術 ―災害を架構して平時のプランニングを進める―」として話題提供を行い,さまざまなフィードバックを得たが,この話題提供内容は,本研究での研究成果を反映し,さらなる方向性について手がかりを得られるものとなった.

今後の研究の推進方策

4年間の研究の3カ年目となる2019年度は,2年間で得られた日米比較に関するデータを元に,また米国のレジリエンシー研究のレビューを実施し,中間報告を出していくことをめざす.
加えて,わが国の事前復興まちづくりが阪神・淡路大震災を契機とし,2004年新潟県中越地震,2011年東日本大震災,2016年熊本地震での復興まちづくりでの教訓からバージョンアップを遂げてきたことも踏まえ,東日本大震災10年目に向けた三陸沿岸の移転型集落再建の実態と課題,また発災3年が経過し,ほぼ入居までの住宅再建の目処が立った熊本地震での集落再建の実態調査なども踏まえて,事前復興まちづくりの体系的な考察を進めていく.
なお研究代表者を中心に,2017,2018年度に引き続き,2019年度においても,豊島区において「震災復興まちづくり訓練」に従事し,アクションリサーチを継続していく.

次年度使用額が生じた理由

2017,2018年度の2ヶ年にわたり米国現地調査を実施してきたが,滞在期間の精査や最安値航空券の手配などで研究費を効率的に利用し,研究機関後半の2ケ年度においても,現地調査が適切にできるよう,務めたため.
2019,2020年度の現地調査や国際会議での成果発表旅費のとしての支弁を予定している.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 2011年長野県北部地震,農山村集落の住家再建と空間遷移実態―長野県栄村2集落での発災後5年間の集落再建特性―,2019

    • 著者名/発表者名
      市古太郎
    • 雑誌名

      日本災害復興学会論文集

      巻: 第13号 ページ: 1,11

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 住民をサポートし、しなやかに回復できるまちやコミュニティをつくる<インタビュー>2018

    • 著者名/発表者名
      市古太郎
    • 雑誌名

      JIA MAGAZINE

      巻: No.358 ページ: 6,13

  • [雑誌論文] プライバシー空間確保を目的とした紙管間仕切と避難所生活環境-平成28年熊本地震での集約避難所運営を通して-2018

    • 著者名/発表者名
      平木繁,市古太郎
    • 雑誌名

      地域安全学会論文集

      巻: No.33 ページ: 225,236

    • 査読あり
  • [学会発表] Needs and roles for city planning on the aftermath of disaster - a case study of community-based relocating recovery in the Great East Japan Earthquake2018

    • 著者名/発表者名
      Taro ICHIKO
    • 学会等名
      International Planning History Society conference in Yokohama, July 18, 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] 事前復興のデザイン技術 ―災害を架構して平時のプランニングを進める―2018

    • 著者名/発表者名
      市古太郎
    • 学会等名
      日本建築学会大会 都市計画部門研究協議会「復興まちづくりと空間デザイン技術」
  • [学会発表] 2016年熊本地震被災地における空間再建遷移に関する研究ー熊本県阿蘇郡西原村3集落を対象としてー2018

    • 著者名/発表者名
      岩本真利奈,平木繁,市古太郎
    • 学会等名
      2018年度日本建築学会大会(東北)学術講演会,6085
  • [備考] IPHS(国際都市計画史学会大会) in Yokohama

    • URL

      http://disaster-research.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/iphs-in-yokoham.html

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公開日: 2019-12-27  

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