2017 年に全国の814 自治体に対して,総合管理計画の策定の進捗状況および,計画策定の際の施設工事の実態についてアンケート調査を行った。個別施設計画やアクションプランは,公共施設を扱う具体的な実施計画を指すものであり,2017年の実施時点において93自治体が策定済みであった。 2022年10月に再度,全国の815自治体にアンケート調査を行い,個別施設計画の策定状況の把握を行った。個別施設計画を策定する際の,施設の取り扱い方については,施設種別(ビルディングタイプ)ごと23.7%,または施設カテゴリごと32.2%,エリア(地区)ごとに設定2.5%と,違いがみられた。 総合管理計画等のもとで計画されるコミュニティ施設の実態調査より4つの視点を示し,その分析から,A:圏域(2パターン),B:管理運営(2パターン),C:縮減(4パターン),D:共有スペースの在り方(2パターン)の,計11パターンに分類した上で,その課題と特徴を明らかにした。さらに課題の要因から,上位計画との関係や,工事種別,個別の施設計画としての課題として3つの視点で整理し,注視すべきポイントとして整理した。 個別の施設が抱える課題には,上位計画との整合性を図る必要から生じる課題がある一方,複合化される機能や工事方法等,それぞれの施設が抱える条件が異なるため,個別施設計画を行う際の前提条件の整理により解決できる課題も少なからずある。コミュニティ施設は利用者の生活と密着した施設であるため,こうした課題は切り離せず,さらに,多様化する施設のニーズに対して施設のあり方が特に重要視されることで,さまざまな問題が発生している。それらのリスクを踏まえた上でコミュニティ本位の施設の計画を行うことが再編において重要であり,利用者にとってより良い施設への整備につながる点を示した。
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