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2018 年度 実施状況報告書

福島県内の木造仮設住宅の撤去・集約化と利活用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K06724
研究機関日本大学

研究代表者

浦部 智義  日本大学, 工学部, 教授 (10409039)

研究分担者 坂口 大洋  仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (70282118)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード木造仮設住宅 / 福島県 / 応急仮設住宅 / 集約化 / 移設 / 再利用 / 丸太組(ログハウス)工法 / 東日本大震災
研究実績の概要

東日本大震災並びにその後の原発事故(3.11)の影響によって、福島県内に建設された仮設住宅16,800戸に関して、福島県庁・被災自治体等からのマクロな統計データ収集やヒアリング調査を通し、その状況を把握した。2018年10月末時点において、6,046戸が撤去・10,754戸が現存している。そのうち、避難者が入居している694戸において1,102人の方が未だに仮設住宅での生活を送っている状況であった。なお、特に研究代表者・研究協力者が建設にかかった丸太組(ログハウス)工法の仮設住宅に一部が避難している、南相馬市・浪江町・大熊町・飯館村を中心に、仮設住宅団地ごとの入居率・空き家数と合わせて撤去・集約化の実態について時系列で詳細に把握した。
また、福島県内に建設された仮設住宅のうち、供与期間終了後の再利用の対象とされた、県による買取りで整備した13,408戸(プレハブ協会住宅部会6,589戸・地元公募6,819戸)について、2019年1月末時点での移設再利用の実績を把握した。それと並行して、福島県が定めている再利用システム(譲与・移住促進仮設住宅提供事業・解体入札)について整理すると共に、再利用の現状について福島県庁・被災自治体等に随時ヒアリングを行い、状況を把握した。さらに、移設再利用を実施した施主(譲与契約者)・設計者・施工者へのヒアリングや現地調査を行うと共に、関係者から実態把握に必要な資料を得た。特に、2019年1月末時点で実際に行われた木造仮設住宅の移設の再利用の事例については、先ず、譲与か否かなど実行された制度にはじまり、移設再利用前後の現地調査や関係者へのヒアリングを通して、その実態を把握した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度に引き続き、特に丸太組(ログハウス)工法の仮設住宅に一部が避難している複数の自治体、具体的には、南相馬市・浪江町・大熊町・飯館村に焦点を当て、時系列で、仮設住宅の撤去・集約について時系列で整理して傾向を見た。また、福島県が定めている再利用システム(譲与・移住促進仮設住宅提供事業・解体入札)を利用しての移設の再利用については、譲与・移住促進仮設住宅提供事業を中心に2019年1月末時点までの取り組み事例とその実態を把握した。また、特に、丸太組(ログハウス)工法の仮設住宅については、実行した関係者へのヒアリングや現地調査も含め、実態を詳細に把握したことを踏まえ、今後もそれらを中心に調査分析が出来ると考え、上記の様に判断した。

今後の研究の推進方策

2019年度末で基本的には仮設住宅の供与期間が終了すること(大熊町と双葉町に関しては、不確定要素あり)、かつ2018年10月時点で仮設住宅の入居者が1000人強にまで減少していることを踏まえ、昨年度までと同様に、今年度も木造仮設住宅の物理的な移設再利用に焦点を当てた研究を進めることとする。木造仮設住宅の移設再利用の中でも、特に研究代表者・研究協力者が建設にかかった丸太組(ログハウス)工法の仮設住宅が事例としても多いことから、それらを中心に詳細を把握することとする。その比較対象として、板倉構法やパネル工法などの木造仮設住宅の移設再利用についても、それを実行する関係者へのヒアリングを調査も含め可能な限り実態を把握することとする。即ち、2019年末時点までの仮設住宅の撤去・集約の状況と上述した丸太組(ログハウス)工法の仮設住宅を中心とした移設再利用の実態を整理して、仮設住宅の撤去・集約の実態や移設再利用の可能性を明らかにすることとする。

次年度使用額が生じた理由

研究計画立案時の予想より、仮設住宅の入居者の退去は早まり仮設住宅の供与期間も2019年度末が基本ラインとなったが、木造仮設住宅の再利用の実例が想定より少なかったために、調査対象数が予定より少なかったことが挙げられる。それらを踏まえ、今後は、研究代表者・研究協力者が建設にかかった丸太組(ログハウス)工法の仮設住宅が再利用の事例としても可能性が高いことから、それらを中心に詳細を把握することとする。その比較対象として、板倉構法やパネル工法などの木造仮設住宅の移設再利用についても、それを実行する関係者へのヒアリングを調査も含め可能な限り実態を把握することとする。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 郡山・希望ケ丘プロジェクト-福島住まい・まちづくりネットワークの活動拠点-2018

    • 著者名/発表者名
      浦部智義,芳賀沼整,滑田崇志
    • 雑誌名

      BIOCITY

      巻: 75 ページ: 64-71

  • [学会発表] 東日本大震災後の福島県における応急仮設住宅の時系列変化-4自治体の比較分析-2018

    • 著者名/発表者名
      久保田悠人・渡部昌治・浦部智義・芳賀沼整・滑田崇志
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演
  • [学会発表] 福島県における建設型応急仮設住宅の再利用の現状-ログハウス型仮設住宅団地を中心に-2018

    • 著者名/発表者名
      渡部昌治・久保田悠人・浦部智義・芳賀沼整・滑田崇志
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演
  • [学会発表] 福島県における応急仮設住宅の再利用の実態―木造丸太組工法で建設された仮設団地を対象として―2018

    • 著者名/発表者名
      渡部昌治・浦部智義・芳賀沼整・滑田崇志・早川真介・高木義典
    • 学会等名
      日本大学工学部学術研究報告会講演
  • [図書] 木造仮設住宅とその再利用+希望ヶ丘プロジェクト(書籍「ロハス工学」の一部)2019

    • 著者名/発表者名
      浦部智義
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      日経BP社
    • ISBN
      978-4-296 -10192-4
  • [図書] 震災と縦ログ構法(書籍「縦ログ構法の世界-森・まち・産業を支える新しい建築のつくり方」の一部)2019

    • 著者名/発表者名
      浦部智義
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      建築資料研究社
    • ISBN
      978-4-296 -86358-562-1

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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