研究課題/領域番号 |
17K06725
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
勝又 英明 東京都市大学, 工学部, 教授 (00257106)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 公立文化ホール / 活性化 / 長期利用 / 劇場法 / 多目的ホール / 平床ホール / 移動観覧席 |
研究実績の概要 |
本研究は、公立文化ホールについての課題を整理し、「公立文化ホールを長期使用するための方策の構築」を目的として研究を行っている。2017年度は、まず、全国の公立文化ホールのデータベース作成を行い完了した。調査対象の2371 施設を確定した。次にこのデータベースにより、次の内容について悉皆調査 (アンケート調査)を行った。調査内容は、ホール概要、基本機能の確認、現存確認、改修工事の確認、活性化の要因、課題の把握、管理運営状況の確認、上演 演目、ホールの利用率などであり、「公立文化ホールを長期使用する」視点から課題を確認した。その結果 929/2371 施設(有効回答率 39.2%)の回答を得た。2018年度は、アンケート調査を行った施設でヒアリングが可能な公立文化施設に対してヒアリング調査・実態調査を行った。「廃館されたホール」に対しては、アンケート調査、ヒアリング調査を行った。平床ホールについてはアンケート調査を行った。結果として、改修工事の視点からは、大規模改修の実施傾向と実施目的、ホールの平均寿命、長期使用のための方策が明らかとなった。活性化の視点からは、稼働率、劇場法に基づく取り組み、利用者の年齢層、事業内容、人材育成と連携事業が関係していることを明らかとなった。また活性化に影響する要因を建築計画的、都市的、劇場法的な視点から明らかにした。廃館の視点からは、閉館した施設の実態、閉館の要因、閉館の現状が明らかとなった。特に閉館の要因としては、老朽化だけでなく、地震対策、公共施設の再整備による影響があることを明らかにした。平床ホールの視点からは、移動観覧席のホールと手並べ椅子のホールについての客席規模、舞台の設え、稼働率、設営の手間、長所短所、催し物の実態が明らかとなり、移動観覧席のホールと手並べ椅子のホールのどちらかを選択する場合の留意点が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度には、アンケート調査を行った施設でヒアリングが可能な公立文化施設に対してヒアリング調査・実態調査を行った。「廃館されたホール」に対しては、アンケート調査、ヒアリング調査を行った。平床ホールについてはアンケート調査を行った。調査はほぼ順調に行われたが、ヒアリング調査・実態調査については予定の約半分しか実行できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度には、公立文化施設に対して、ヒアリング調査・実態調査を行った。分析作業はかなり進み、日本建築学会には中間報告を発表した。2019年度にさらに、ヒアリング調査・実態調査を行う予定である。最終年であるので分析・考察も進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に行う予定であったヒアリング調査、実態調査が約半数しか実行できなかったため、実態調査の費用が2019年度に繰り越される。 2019年度には、主にヒアリング調査、実態調査と分析、考察のために使用する予定である。
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