研究課題/領域番号 |
17K06725
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
勝又 英明 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 名誉教授 (00257106)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 公立文化ホール / 活性化 / 長期使用 / 劇場法 / 舞台技術関連会社 / 長寿命化 / 老朽化 / 改修工事 |
研究実績の概要 |
2021年度は、前年度までの調査結果を受けて、公立文化ホールを長期使用するための方策構築のために文献調査、ヒアリング調査、アンケート調査、分析を行った。 築10 年以内の公立文化ホールへの長期使用要因調査では、2021年度は近年建設された築10 年以内の公立文化ホールに対し、長寿命化に対してどのような意識を持ち、長期使用していく上で何が重要だと感じているのかを管理運営者の視点から調査を行った。これまでの長期使用への対策とこれからの長期使用への考えを包括的に捉えて長期使用につながる要因の関係性を明らかにすることを目的とした。本研究により、管理運営者が長期使用する上で重要だと思われる要因を設計系・都市系・設備改修系・維持管理系・運営系・評価系の6つの分野に分類し、それぞれの関係性を探った。なお研究対象は2010 年以降に竣工または改築した公立文化施設であり、音楽・演劇・舞台等を主として実演芸術の公演を行うことを目的とした席数100席以上のホールを有する劇場・音楽堂(劇場、市民会館、文化センター等)及びそれを含む複合施設135 館を対象とした。その結果79/135の回答を得た。 地域創造大賞受賞施設の講評分析では、公立文化ホールの活性化、長期使用の要因について地域創造が顕彰する地域創造大賞受賞施設の講評を分析し、活性化、長期使用に繋がる計画の指針を示すことを目的としている。なお地域創造大賞受賞施設とは一般財団法人地域創造が地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりに特に功績のあった公立文化施設を顕彰する賞である。 本研究により、今回の地域創造大賞受賞公立文化ホールの講評分析をおこなったことで、地域活性化においてどのような指標で評価がされ特徴があるのかが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、コロナ禍の影響でヒアリング調査・実態調査は十分に実施できなかった。公共団体等の発表資料の分析、既存のアンケートヒアリング調査結果の分析は進んだ。 「公立文化ホールを長期使用するための実態の把握」、「公立文化ホールの閉館の要因の実態の把握」、「公立文化ホールを長期利用するための改修工事」、「公立文化ホールの移動観覧席の利用実態と活用」については、ほぼ分析を終了している。 「公立文化ホールを長期利用するための活性化の方策」、「公立文化ホールの長期利用されている要因の実態の把握」については、分析作業が進んだが、今後もヒアリング調査・実態調査・分析が必要となっている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、コロナ禍の影響でヒアリング調査・実態調査ができなかった。分析作業はかなり進み、日本建築学会では大会、関東支部において調査結果を発表した。2022年度にさらに、ヒアリング調査・実態調査を行う予定である。最終年であるので分析・考察も進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に行う予定であったヒアリング調査、実態調査がコロナ禍のため、実行できなかったため、ヒアリング調査、実態調査の費用が2022年度に繰り越される。2022年度には、主にヒアリング調査、実態調査と分析、考察のために使用する予定である。また研究全般のまとめに使用する予定である。
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