研究課題/領域番号 |
17K06728
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
高柳 英明 東京都市大学, 都市生活学部, 准教授 (70344968)
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研究分担者 |
川口 英俊 東京都市大学, 都市生活学部, 教授 (60534394)
川口 和英 東京都市大学, 都市生活学部, 教授 (80300028)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高齢者 / 時間費用 / 家族介護 / 遠隔地居住 |
研究実績の概要 |
本課題は、子世帯の経済的事情や高齢者の自立生活支援の観点から、遠隔介護システムを用いた高齢者住宅のあり方について、 a)高齢者世帯と子世帯との離隔距離、介助訪問頻度、移動時間、移動手段についてのアンケート調査により立地要件の最適解を求めるとともに、 b)遠隔地にて上記遠隔介護システムを高齢者が自立して操作できる住宅の計画要件を実験を通して明らかにすることを目的としており、平成30年度は、東京都内に在住の任意世帯に対し、遠隔地居住・介護に関する基本意識調査とあわせ、高齢者世帯と子世帯との日常的なやりとりを9種類のIoTスマートデバイスを用いて実行させ、初頭に回答した許容しうる離隔距離、介助訪問頻度、移動時間について補正モデルとして推定し、住宅計画要件への指針とした。またこの成果を発表すべく、JECAおよびJAR国際論文誌に投稿中である。 上記のIoTスマートデバイス機器とは、1)手書きペンシル対応型タブレット端末、2)睡眠センサー、3)ドアセンサー、4)防犯対策用振動センサー、5)対話AI「BOCCO」センサー、6)生理状態計測可能なスマートウォッチ、7)通信型ヘルスメータ、8)身体機能スケジューラ、9)ヴィデオフォン端末をさすが、これらの複合利用の形態について、3サンプルにおいて定常的な実態ハイアラーキが見られた。通話を主とするサンプルケースにおいては、文字情報通信より、相互の生活気配をデータログとして明示・現示する方がよいという結果が得られた。また手書き文字による通信を主とするケースでは、ヴィデオフォンによるリアルタイム動画像での通信頻度が高く、結果、時間費用モデルの補正値も大とする結果が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までの修正計画で予定していた通り、東京都及び大阪市内の独居高齢者住宅(及びその子世帯)を3サンプル抽出し、Iot機器を併用した遠隔地家族介助の実施と意識調査を行うことが無事遂行できたため順調に進展しているといえる。 また、定位置設置型デュアルオムニスコープカメラを高齢者の生活空間に設置し、脚部・腕等 の位置から生活パターンを遠隔監視できる方法を構築し、その成果のまとめも順次済んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、H30年度の成果である、Iot機器を併用した遠隔地家族介助の実施手法と時間費用補正モデルの提示をメインに、論文投稿を終え、予定していた研究計画を終了することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
H29年度報告書に記載の通り、当初予定のH30年度の分譲型住戸のリース借受けによる実験が不可能になったため、Iot機器併用での時間費用補正モデルの策定を行った。結果、H30年度およびH31年度(令和元年度)に次年度使用額が発生しているが、現時点の予定では、国際論文投稿およびデータ精査の費用にそれらを使い切ることとする。
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