研究課題/領域番号 |
17K06732
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
村上 心 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (10247603)
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研究分担者 |
青木 茂 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 特任教授 (20512859)
川野 紀江 椙山女学園大学, 生活科学部, 講師 (30247605)
清水 秀丸 椙山女学園大学, 生活科学部, 講師 (70378917)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 公的団地 / プロジェクトマネジメント / アセットマネジメント / 再生 |
研究実績の概要 |
本研究は、従来のファシリティ・マネジメント研究で対象とされていない「公的住宅」を対象とした研究であること、また、関連主体の役割分担と団地機能に着目し、実際に行われた国内外の団地再生プロジェクトを対象としてオープンビルディング(街区・スケルトン・インフィル)の各レベル毎にプロジェクトマネジメントの検証・分析を行う点に意義がある。平成30年度は、以下の研究成果を得た。 (1)対象国における特徴的団地再生プロジェクトの選定については、オーストラリア(3団地)、タイ(3団地)、日本(17団地)のプロジェクトを選定した。 (2)上記の団地再生プロジェクトを評価する項目を、文献調査(エリアマネジメント13文献、住宅性能評価7文献、空間条件26文献)により、オープンビルディング概念を参考に設定した。経済的側面、環境的側面、社会的側面、建物的側面の4分類、合計175項目であり、それぞれのプロジェクトが、各評価項目を実施したか否かで評価できるように配慮した。この評価項目を用いて、国内外の団地再生プロジェクトの調査を行った。また、各プロジェクトの、土地、公的住宅、関連施設毎の機能と、主体の権利種別についても調査を行った。 (3)コスト面での分析の一環として、集合住宅の再生コストについて、先進的な国内事例7事例についてインタビュー調査および資料分析を行った。具体的には、工事種別および工事目的別コストの整理・分析を行った。 成果は、4編の論文として纏めている。(うち2編は研究代表者・分担者指導による卒業論文)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・海外調査については、オーストラリア及びタイの団地調査を実施し(各国3団地)、タイについては評価項目シートに整理するところまで終了した。最終年度は当初予定通り、オランダ調査を実施する。 ・国内調査については、団地プロジェクトを17選定し、事業主体に調査シートへの記入を依頼、回収を完了し、概要を整理した。 以上、国内外団地再生プロジェクトの調査は順調に進展しており、詳細分析は最終年度に実施する予定である。 ・集合住宅の再生コストについて、先進的な国内事例7事例についてインタビュー調査および資料分析を行い、工事種別および工事目的別コストの整理・分析を実施済みである。
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今後の研究の推進方策 |
・事例調査は、当初予定通りオランダ調査を実施する。また、福祉国家である北欧諸国(フィンランド)のソフト面を含めた団地再生プロジェクトを比較対象として追加する予定である。 ・9月中をめどに実地調査を終え、プロジェクトマネジメント事例における主体の役割分担と団地機能の整合性の検証・分析を行う。また、個々の団地の条件に対応可能なプロジェクトマネジメント手法を提示する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、国内外調査等旅費について、当初計画していた現地での実地調査を事業主体へのアンケート調査に変更したこと、研究ミーティングをスカイプやメールで実施したことで、当初予定より使用額が減額となったことによる。 使用計画は、当初予定通りオランダ調査を実施するとともに、ソフト面を含めた事例として、福祉国家であるフィンランドの団地再生プロジェクト事例を追加する。また、昨年度調査を実施したタイ事例について、追加のインタビュー・実地調査を行う予定である。
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