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2022 年度 実績報告書

東京都内の神社に建てられた神楽殿に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K06744
研究機関東京工業大学

研究代表者

山崎 鯛介  東京工業大学, 博物館, 教授 (10313339)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード神楽殿 / 江戸東京 / 都市 / 近代 / 荏原郡 / 地域性 / 神社
研究実績の概要

令和4年度は、江戸末期に刊行された『新編武蔵風土記稿』を用いて、明治時代の旧荏原郡(品川区、大田区、目黒区、世田谷区)に相当する地域を対象に、近代以前の地域における神社のあり方、特にその管理運営体制の実態と特徴を明らかにした。その結果、江戸末期のこの地域には445の神社が存在し、明治初期の神社明細帳に記載された神社数(284)の1.5倍以上の神社が存在したこと、その7割は寺院または別当寺院によって管理されていたこと、江戸期に寺院境内に存在した神社など、独自の敷地を持たない神社の8割が明治期になって廃止されていたこと、地域別に見ると神社数の多寡には地域差があるが、それを管理する別当寺院の数は地域差が少なかったことがわかった。
以上の分析結果を前年度までの調査結果と照合すると、江戸末期には旧荏原郡の範囲に455件の神社が存在し、それらが神仏混淆の文化状況の中で寺院境内や別当寺院のもとで管理運営されていたが、明治維新によって神仏分離政策がとられた結果、寺院の廃絶に伴い寺院境内にあった独自の敷地を持たない神社が数多く消失し、一方で、江戸期に別当寺院の管理下にあった独自の敷地を持つ神社は、明治維新後に町村に移管されたが、そのうち管理が行き届かない神社の多くがやがて明治末期に神社整理の対象となったとことがわかった。現在も存在しているこの地域の神社には、昭和戦前までのこうした管理運営の歴史があることがわかった。
本研究は、当初は近代東京の神社の神楽殿について、アンケートや資料調査を中心とした悉皆調査を行うことを目指したが、それは方法的に難しいことから方針を変更し、明治期の神社の成立根拠と歴史的背景について、地域を限定し、江戸期と比較することで上記のような成果を上げることができた。今後は、こうした知見を前提に、対象とする神社を絞って神楽殿の成立・展開について考察を進めていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 江戸末期から明治初期の東京府荏原郡における神社の管掌者の転換とその影響2023

    • 著者名/発表者名
      尼崎大暉
    • 学会等名
      日本建築学会

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公開日: 2023-12-25  

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