研究課題/領域番号 |
17K06745
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
片木 篤 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70204419)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 工場村 / チョコレート製造業 / 工場 / 住宅 / 都市計画 |
研究実績の概要 |
本研究は、欧米の代表的チョコレート製造業が開発した工場村を分析することにより、「食」の工業化の先駆と言うべきチョコレート製造業が志向した近代生活像と近代都市像を明らかにすることを目的とする。 本年度は、英仏のチョコレート企業が開発した工場村 1)ボーンヴィル(キャドバリー・ブラザーズ社、バーミンガム近郊、イギリス) 2)ニュー・イアーズウィック(ラウントリー社、ヨーク近郊、イギリス) 3)ノワジエル=シュル=マルヌ(ショコラ・ムニエ社、バリ近郊、フランス)の現地踏査調査を行い(平成29年9月15日~9月26日)、それぞれについて、バーミンガム市立図書館史料室、ヨーク大学・ボーズウィック史料研究所、ノワジエル遺産室等で、工場及び工場村に関わる図面・文書等を収集した。これら1次資料とこれまで収集してきた2次資料を用いて、それぞれに事例ごとにチョコレート企業の発展経緯、チョコレート製造法と工場建築計画との相関(製造「ライン」と建築内観・外観との相関)を分析すると共に、工場村については開発当初から現在に至るまでを画期し、各期における全体計画、鉄道・鉄道駅、道路、街区・区画、公共施設(教会、コミュニティ・ホール、養老院、学校公園・緑地等)、商業施設(商店、カフェ・レストラン等)、住宅(平面・意匠)・庭園 を分析した。 分析はまだまとめれられていないが、途中の成果を「嗜好品文化研究会」平成29年第2回研究会(平成29年10月29日)で口頭発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ボーンヴィル、ニュー・イアーズウィック、ノワジエル=シュル=マルヌの工場村については、現地踏査調査を行うことができ、また主だった図面・文書も収集することができたが、工場内部への立ち入りと写真撮影は許可されなかった。ノワジエル=シュル=マルヌのショコラ・ムニエ工場は世界遺産として、年に数回、決まった日時に公開されていることがわかったので、今年度あるいは来年度の公開日時に合わせて再訪することを検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は、アメリカのチョコレート企業が開発したハーシー(ハーシー・チョコレート社、ペンシルヴァニア州、アメリカ合衆国)の現地踏査調査と資料収集を行い、分析を行う。この調査旅行に、前述したノワジエル=シュル=マルヌのムニエ工場見学やヨーロッパの他のチョコレート企業(スイスのリンツ社等)の現地踏査を含めるかについては、旅費・旅程等を勘案して検討中である。
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