| 研究課題/領域番号 |
17K06746
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| 研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
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研究代表者 |
矢ヶ崎 善太郎 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (90314301)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 大工 / 庭師 / 茶室 / 数寄空間 / 和風 / 煎茶 / 茶の湯 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的である数寄空間の地域性と多様性の実態を把握するとともに、それらの造営にあたった大工や庭師の動向や技術的交流の実態を明らかにするために、当該年度では以下の調査を行った。
昨年に引き続いて、日本建築学会図書館ほかに所蔵されている近代和風建築調査報告書や市町村史の類から本研究にかかる基本データを収集し整理した。昨年度実施した東北・関東地域にかかるデータを補足したほか、本年度はあらたに東海・北陸地域、中国地域、四国地域にかかる調査を行った。
山口県文書館に関東や近畿、中国地域における数寄空間の造営史料が所蔵されており、それらのうち本研究に資すると判断される史料について調査を行いデータを収集した。また、近畿のほか四国、中国の各地域に現存する遺構調査を実施した。伊勢の行在所や皇學館大學内に移築された茶室、大阪八尾市の萩原家ほか、新居浜市の別子銅山関連の和風建築、毛利家にかかわる和風建築・庭園などについて遺構調査を行い、あわせて各遺構周辺での造営史料の発掘を行った。
数寄空間造営の文化的背景として重要な意味をもつ茶の湯文化、煎茶文化に関する書籍ほか関連史料を収集し分析した。特に本研究では、昨年度の研究成果から数寄空間成立における煎茶文化の影響について注目をしており、分析のための根本史料の発掘、収集に努めた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度実施した近代和風建築調査報告書等からのデータ収集作業において、報告書の性格および記載方法の特徴が把握できていたため、比較的順調にデータ収集することができた。本年度は当初より、かなり多くのデータが抽出される可能性を想定し、調査補助を充実させたことによって作業を順調に行うことができた。
遺構調査においても調査補助員を動員することで有効に調査を行うことができた。
収集した資料の整理と分析作業では、方法やまとめかたについてしばらくは試行する必要があることは当初より想定しており、現在にところ大きな問題は発生していない。
東北、関東、近畿、九州の各地域における遺構調査が不足しており、次年度において計画的かつ精力的に実施する必要がある。
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| 今後の研究の推進方策 |
各図書館、美術館などで所蔵されている本研究に関連する調査報告書の類からのデータ収集を可能な限り継続し、データの充実をはかる。
遺構調査については東北、関東、近畿、九州の各地域における情報を収集し、実施する。これら以外の地域においても情報を収集し、各地域の分布のバランスを考えながら、可能な限り調査を実施する。
研究補助員を有効に動員し、これまで収集したデータの整理と分析を行い、最終報告を行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
情報の不足により本年度調査を予定していた九州地域および東北地域での遺構調査が実施できなかったこと、および年度後半に研究代表者の異動準備などの事情により、関連造営史料の収集が不十分であったことによるものである。
次年度は研究補助員をさらに動員し作業の効率化をはかるとともに、実質的な調査計画を立て、調査地域をバランスよく選択することで本研究の初期の目的の達成をはかる。
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