研究課題/領域番号 |
17K06782
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
加藤 丈晴 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主任研究員 (90399600)
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研究分担者 |
横江 大作 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 技師 (20590079)
吉田 竜視 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 技師 (50595725)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 集束イオンビーム / 界面構造解析 / 半導体 / 電位分布 |
研究実績の概要 |
金属/半導体界面に電圧印加しながら電子線ホログラフィー観察を行うためには、TEM観察可能な薄片試料に何らかの配線をする必要がある。当初、ピエゾ駆動可能なサンプルホルダーを用いて、電極先端にタングステン(W)の針を装着し、Wの針と試料を接触させることにより電流-電圧測定を試みたが、再現性の良い結果が得られなかった。そのため、モリブデン(Mo)単孔メッシュ上に絶縁体であるアルミナ板と試料へ配線するためのの白金(Pt)箔を固定した支持体を作製した。Pt箔の中央部を集束イオンビーム(FIB)切断した。切断後の2枚のPt箔は、導通しない状態であることを確認した。金属/半導体界面を有するサンプルをFIB-マイクロサンプリング法により抽出し、2つのPt箔の端にまたがるように金属部と半導体部を固定した。その後、FIB法により金属/半導体界面部位を薄片化し、TEM観察用試料に仕上げるが、FIB法では、加速電圧数10 kVのガリウム(Ga)イオンを用いるために、Gaイオンにより研磨された試料表面にダメージ層(特に半導体の場合、アモルファス相や転位ループ)が形成される。このようなダメージ層は、電流リークを引き起こしたり、詳細な透過型電子顕微鏡(TEM)観察および電子線ホログラフィーによる電位分解析に悪影響を及ぼすことがある。そのため、試料表面に形成されたFIBダメージ層を除去するため、加速電圧1 kV、0.5 kV、0.1 kVと徐々に低下させてアルゴン(Ar)イオンビームを照射した。以上の様に仕上げた薄片試料に、逆バイアスを印加し、電流-電圧測定を行ったところ、薄片化した金属/半導体界面でもショットキー障壁を確認することができた。このような薄片サンプルを電子顕微鏡内に挿入し、逆バイアスを印加しながら、電子線ホログラフィー観察を実施し、金属/半導体界面領域の電位分布を解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金属/半導体界面への電圧印加し、再現性よいI-V測定と、電子線ホログラフィー観察するための配線手順、試料加工作業手順等を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
半導体内部に転位等の格子欠陥が含まれる領域において、金属/半導体界面へ電圧印加し、I-V測定を実施するとともに、電子線ホログラフィー観察し、電圧印加による欠陥構造部位の電位分布変化を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費が想定よりも少額で納まった。また、謝金については研究補助員費用を予定していたが、特に研究補助の必要が無かった。そのため、24万円ほど予算を繰り越した。2019年度は計画どうりに使用予定である。
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