研究課題
昨年度までに、金属電極と半導体界面に電圧印加するため、サンプル固定、配線および、サンプル薄片化行程、ダメージ層除去工程を以下の様に確立した。i) Mo単孔メッシュ上に絶縁体である板状のアルミナを固定する。ii)そのアルミナ上にTi薄膜を貼り付ける。iii)集束イオンビーム(FIB)装置内部で、GaイオンビームによりTi薄膜を切断し、切断された2つの領域で、電気伝導が無いことを確認する。iv)、金属電極表面にタングステンを蒸着し、FIB-マイクロサンプリング法により金属電極/半導体試料を抽出し、タングステン蒸着により切断したTi薄膜の端に、金属電極と半導体をそれぞれ固定する。v)Ti薄膜と金属電極の接合部位およびTi薄膜と半導体接合部位を残し、金属電極/半導体サンプルを加速電圧40 kVのGaイオンにより薄片化を行い、最終的に加速電圧0.5 kVのArイオンを照射(FIBダメージ層除去)する。このような手順で薄片化したサンプルを電圧印加ホルダーに装着し、リーク電流を発生させること無く、金属電極/半導体界面に順バイアスおよび逆バイアスを印加し、電流-電圧曲線を計測が可能であった。薄片化した金属電極/半導体界面領域について、後方電子散乱回折(EBSD)法により金属電極結晶および半導体の結晶方位を同定した。結晶方位を同定した領域について、電子線ホログラフィーを用いて金属近傍の半導体内部における電位分布から、空乏層厚さを見積もったが、結晶方位による空乏層厚さの明確な変化をとらえることができなかった。また、そのような領域において、印加電圧実験を試みたが、電圧印加による半導体内部の空乏層の厚さ変化に関しても、結晶方位依存性を明確にとらえることができなかった。空乏層厚さと結晶方位の依存性については、障壁電位が大きくなる金属/半導体材料の組み合わせサンプルによる確認が必要である。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件)
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